出版社内容情報
古代から近世まで医薬書や各種史料を渉猟し、中国と日本の茶の交流史を明らかにしつつ、茶の効能と歴史を追う。
内容説明
古来より茶は薬だった。理想の古帝王「神農」が、毒にあたっても茶で解毒したのは本当か。なぜ『喫茶養生記』は、茶と桑による養生法を書いたのか。古代から近世まで、中国と日本の医薬書や各種史料を渉猟し、茶の効能と歴史を追う。
目次
第1章 茶薬同源をさぐる
第2章 中国 漢代から魏晋南北朝
第3章 中国 唐代
第4章 日本 喫茶の始まりから平安時代まで
第5章 中国 宋代
第6章 日本 鎌倉・室町・安土桃山時代
第7章 中国 金・元代
第8章 中国 明代
第9章 中国 清代
第10章 日本 江戸時代
著者等紹介
岩間眞知子[イワママチコ]
東京都生まれ。1978年早稲田大学文学研究科(美術史)修士課程修了。同年より81年9月まで東京国立博物館科学研究費特別研究員、また『日展史』編纂委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅうり
7
豊富な文献。古代中国から西欧人が出島で見た日本の茶文化まで。2016/04/23
きさらぎ
3
中国漢代から清代、そして日本の喫茶の始まりから江戸時代までを時代を追って書いた通史。サブタイトルが「茶薬同源をさぐる」となっている通り、各時代の文献に記された茶の同定や文献の考証、当時考えられていた薬効などに重きを置くので、割と叙述はかためというか。もう少し茶と人間についての逸話や詩文などがあると読みやすいかな、というのは私の関心の方向がそちらだからだと思う。神農伝説や平安時代の茶、『喫茶養生記』で栄西が茶と桑に込めた思い(最澄への帰依)や江戸時代における茶の知識と本草学、博物学の発展など面白く読んだ。2018/06/15
きのたん
1
【課題】あいかわらず神農の教えに傾倒している。水分過多の頭痛というものがあるのか。醍醐は牛乳から作った最上の飲み物。さて何だろう。飲むヨーグルトかな。ホットミルクかなっ。ほんとになんだろう。もしかして馬乳酒のようなもの!?うぅぅ。でもカルピスはあれを参考にしたらしいし。飲んでみたいような、みたくないような。「甘露は良い政治が行われたときに天が降らせる甘い水」というところで感激して本を閉じてうっとりしながら寝てしまった。昔の中国の人はなんて感性が豊かだったのだろう。「喫茶養生記」ってカフェ巡りのブログみたい2024/01/05