内容説明
古代日本人は星の神話を生み出していた。サルタヒコはヒアデス星団、アメノウズメはオリオン座…。日本神話はまさに天上画廊の物語である。
目次
古代日本にも星の神話が存在した
日本の神話とは何か―残存するのは切り貼り細工の一部の神話に過ぎない
星座とは何か・なぜ日本神話に星座があるのか―日本神話の成立に星辰神話が不可欠であった
なぜ星座で神話が読み解けるのか―古代と変わらぬ星空が天上に残っている
天津甕星と天香香背男―金星(明けの明星)の神格化
天の御柱廻りと国生み神話―天を支える柱である北極星と世界の中心に位置する聖なる大八島国
伊邪那岐命の禊祓と三貴子誕生まで―日月星辰誕生の天文神話
住吉三神の誕生と星を目当ての航海―オリオン座の三つ星は航海の神
太陽神の話―天照大御神とその子孫達
月の神月読命の神話―光輝・潮路(暦)・死と復活の神〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gen
2
文化放送の今朝の三枚おろしで武田鉄矢さんが紹介していた。古事記に書かれている神話の中には星座で読み解くことができるものもある。面白く読めた。2010/04/20
ハナさん*
1
2000年6月10日初版。市図。仕事で「星の神話がないと思われがちな日本神話にも、オリオン座をアメノウズメ、牡牛座をサルタヒコとみなすような説があった」と知り、参考文献である本書を読んだ。「周知されていないだけで、昔から唱えられていた説」の紹介ではなく、大部分がこの著者の立てた新説だった(住吉三神をオリオンの三ツ星とするのは、別の人の説)。それでも、「日本神話で言う何々は、何々の星(星団)に当たる」という諸論は、説得力があって興味深かった。上代・中世文学を専門とする国文学者である著者ならではの論考だ。2025/02/11