内容説明
「交ぜ書き語」を本来の姿に!こんな珍妙な形にされた日本語を、放っておいてよいのか。将来の日本語と漢字文化のための提言。
目次
1 交ぜ書き語とは何か(「交ぜ書き語」の由来;「交ぜ書き」の問題点;「常用漢字」と「表外漢字」;人名用漢字と名字・地名 ほか)
2 交ぜ書き語の実際(胃がん;い敬;がい骨;かい書 ほか)
3 交ぜ書き語小辞典
著者等紹介
田部井文雄[タベイフミオ]
1929(昭和4)年、群馬県生まれ。東京教育大学卒業。同大学院修了。元千葉大学教授。専攻は、漢文学。若いころより、『大漢和辞典』を始めとする漢和辞典や、高校国語教科書の編纂にたずさわる一方で、『唐詩三百首詳解』(大修館書店)、『中国自然詩の系譜』(大修館書店)、『研究資料・漢文学』全11巻(監修、明治書院)、『陶淵明集全釈』(共著、明治書院)、『大修館四字熟語辞典』(編、大修館書店)などの編著書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tomi
3
2006年に出版された漢文学者による「交ぜ書き語」批判の書。前半はあっさり目だが、注目は新聞紙上から使用例を採録した、Ⅲ章の交ぜ書き語小辞典。「愛ぶしてくれる[撫]」「恐喝を一しゅう[蹴]」「横いつしていた[溢]」など、平易とは逆に意味を汲みとれにくくしている用例の数々に改めて呆れた。常用漢字表が改正されたり近年はルビの使用で交ぜ書きを減らす傾向にあるのが救い。2012/02/28
佐倉はな子
1
「拉致」「改竄」をどうして漢字で書かないのか、ずっと不思議だった。この本を読んで理由がやっとわかった。それにしても、「癌、痔、疹、呆、姦、屍、糞」を人名漢字にノミネートしたお役人。バカすぎる。2015/01/22
テツオ
1
いまの仕事で、漢字をどう扱うか毎日のように考えさせられます。常用漢字と表外漢字や、漢字のあり方について考えるのにとても参考になりました。2013/04/29