内容説明
『新体詩抄』の出現は、新しい詩歌を求める大きな波を生み出す。その中で、日本の詩歌の伝統と西欧からもたらされた近代が様々に交錯する。―この巻は、現代における詩歌の位置を見据える。
目次
詩歌の近代(野山嘉正)
短詩型の受容層―門間春雄のこと(米田利昭)
『新体詩抄』の出現(沢正宏)
劇詩の試み―『蓬莱曲』をめぐって(小沢勝美)
〈コトバ〉と〈意識〉の拡張―『於母影』等の翻訳詩集がもたらしたもの(黒古一夫)
藤村のロマンチシズム(木股知史)
正岡子規の位相(坪内稔典)
『明星』の意味―鉄幹における『明星』(横井源次郎)
石川啄木・〈歌〉の変容(上田博)
詩の誕生―高村光太郎における近代(北川太一)
朔太郎の詩精神―『詩の原理』を手懸かりとして(佐藤房儀)
モダニズム詩の問題―『詩と詩論』2、3の断面(阿毛久芳)
プロレタリア詩の行方―中野重治と小熊秀雄(木村幸雄)
宮沢賢治の詩の世界(万田務)
金子光晴『鮫』の意味(米倉巌)
ハイカラと臭味と―大正2年前後の茂吉(満田郁夫)
人間探求派の俳人―草田男と楸邨(瓜生鉄二)
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- 深夜百太郎 〈入口〉