出版社内容情報
バス運転手の金子爽介は、バスで出逢った篠田陽麻里と恋に落ち、結ばれます。陽麻里との幸せな日々を過ごしますが、最愛の妻は病で他界し、深い悲しみに沈みます。生きることに疲れ職も辞した爽介は亡き妻との思い出の地、七里ガ浜を度々訪れます。そのうちホテルスタッフの倉田桃華と出会い、彼女の温かい言葉に救われます。桃華との交流を通じて爽介は再び生きる希望を見出し、バス運転手として復職。爽介は幸福への緊張と、亡き陽麻里への悼みが胸にさざ波のように残るのを自覚し、過去と未来の狭間で揺れながらも、桃華との再婚を決意します。そして桃華の元へ向かう途中、由比ガ浜に車を止めた彼は、潮風と波音の中で陽麻里へ贈ったアクアマリンのネックレスを「本当にさようなら」と海へ投げ、過去に別れを告げて、桃華との新しい人生の扉を開く決意を固めます。彼はなお胸騒ぎを完全には抑えられませんが、それでも未来へ向けて確かなアクセルを踏み、桃華の元へ向かいます。ところが、新たな未来を噛みしめた日は、皮肉にも運命の歯車が回る朝でもあったのです……。
【目次】
はじめに/序章/昔話/至福/空洞/挽回/終章/あとがき



