出版社内容情報
アメリカ自然主義文学を代表する作家セオドア・ドライサーは、処女作『シスター・キャリー』で当時の価値観に反した先進的な女性像を描いたとされ、賛否両論を巻き起こした。しかし、ドライサーの執筆した全8作の長編作品の中に描かれる女性たちは、果たして本当に時代の先を行く先進的な女性として描かれているのだろうか。本書では8作品全てを取り上げ、ドライサーの描いた女性像に作家自身が抱いていた理想女性像を探る。資本主義が台頭した20世紀初頭のアメリカ都市社会のなかに生まれたノスタルジアと、社会に創り上げられた女性像の関係性を、アメリカ文学の巨匠、ドライサーの作品を通して読み解く。
目次
第1章 『シスター・キャリー』―「断ち切れ」てはいない田舎との絆
第2章 『ジェニー・ゲアハート』―自然と、女性と、ノスタルジア
第3章 『資本家』、『巨人』―「新しい女性」像への懸念
第4章 『天才と呼ばれた男』―都市への賛同と牧歌への憧憬
第5章 『アメリカの悲劇』―「湖」が物語るアメリカの「パストラル」
第6章 『禁欲の人』―ベレニスに描かれた理想女性像
第7章 『とりで』―満を持しての、「新しい女性」登場
著者等紹介
土屋陽子[ツチヤヨウコ]
長野県生まれ。名古屋大学大学院国際言語文化研究科博士後期課程満期退学。博士(文学:名古屋大学)。現在、弘前大学教育学部英語教育講座准教授。専門はアメリカ文学、特にセオドア・ドライサーを中心に、19世紀末から20世紀初頭にかけての、リアリズム、自然主義文学を研究対象としている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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