出版社内容情報
本書は、病いや障がいのある人々がどのように社会とつながり、新たな役割を見出しながら生きるかを探る一冊です。患者会、ピアサポート、セルフヘルプグループなどのコミュニティが果たす役割に注目し、医療の枠を超えて社会全体で支え合う仕組みを考察します。
近年、医療において「患者」が単なる受け手ではなく、自立した市民・生活者として主体的に関わることの重要性が強調されています。患者・市民参画(PPI)、患者中心(Patient Centricity)、患者エンゲージメント(Patient Engagement)といった概念が注目され、病いや障がいを持ちながら生きる人々の活動が、他の患者にとって大きな支えとなることが明らかになっています。一方で、病気を抱えることで社会的役割を喪失し、孤独や孤立を感じることも少なくありません。こうした課題に対し、患者自身やコミュニティがどのような取り組みを行っているのかを詳しく紹介しています。
内容説明
病いや障がいがあっても、夢をあきらめない!病気と共に生きるのに必要なのは〈支え合いの仕組み〉。患者をエンパワーしていく患者会やコミュニティのチカラで誰もが自分らしく生きられる共生社会へ。
目次
第1部 自分らしく生きる患者のチカラ(患者との出会い;病気の先輩・後輩―仲間と一緒に良くなるピアサポート―;「出会い」と「変容」―患者の旅路(Patient Journey)を共に歩む―
ピアサポートのデジタル化―バーチャル空間で拘束から自由になる―
患者が先生になる教育活動 ほか)
第2部 共生社会を支えるコミュニティのチカラ(医療とコミュニティの協働―イギリスの社会的処方―;孤立・孤独を生まない地域づくり―大磯町のお寺の取り組み―;患者会と大学との協働―オランダのがんと食に関する研究―;現場の声を聴く合宿に参加して―;家族介護に給与が支払われる仕組み―マサチューセッツ州のアダルト・フォスター・ケア― ほか)
著者等紹介
細田満和子[ホソダミワコ]
星槎大学教授、東京大学医科学研究所特任研究員。1992年、東京大学文学部社会学科卒業。東京大学大学院人文社会学系研究科で博士号(社会学)を取得、コロンビア大学とハーバード大学で患者アドボカシー研究に従事。社会学をベースに、医療・福祉・教育の現場での諸問題を当事者と共に考えている。一般社団法人Inclusive Action For All代表理事、東京大学ニューヨークオフィス理事、一般社団法人脳損傷者ケアリング・コミュニティ学会代表理事、アジア太平洋社会学会回機会と由会期会長なども務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- サステイナビリティ学入門