内容説明
野間宏、加賀乙彦の系譜を継ぐ大長篇小説の第一部。ガダルカナル、ニュージョージア島、コロンバンガラ島の戦闘などソロモン戦からフィリピン戦への太平洋戦争の激烈な流れを父親の精神の病の中に鮮やかに再現しながら、日本定住の元ポル・ポト兵のカンボジア難民の殺人裁判に関わることによって、虐殺の生々しい真相に迫る。戦争と生の真実を対峙させる衝撃のテーマ。日本人が振り返り、大事にすべき問題をも提起する。「群像」新人長篇小説賞作家の挑戦的長篇小説。
著者等紹介
五十嵐勉[イガラシツトム]
1949山梨県甲府市生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒。79「流謫の島」(講談社刊)で第2回「群像」新人長編小説賞受賞。98「緑の手紙」(アジア文化社刊)で読売新聞・NTTプリンテック主催第1回インターネット文芸新人賞最優秀賞受賞。2002「鉄の光」(健友館刊)で第7回健友館文学賞大賞受賞。17「破壊者たち」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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