内容説明
江戸の料理屋「千川」で料理人として働くきよ。久しぶりに再会した父にも料理の道を進むことを認められ、一層精進していこうと気合を入れ直した今、気になるのは「千川」の次男坊・彦之助。心を入れ替え、真摯に料理に向き合う彼の姿に刺激を受け、きよもまたさらなる飛躍を目指す。時に弱気になるけれど、それでも板場の席は譲らない。すべてはお客の笑顔のために。身も心も癒される食と人情の物語、きよの躍進眩しい第三弾!
著者等紹介
秋川滝美[アキカワタキミ]
2012年4月よりオンラインにて作品公開開始。2012年10月、「いい加減な夜食」(アルファポリス)にて出版デビューに至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイ子
96
きよが大阪から弟・清五郎と江戸にきてから2年半。里の父親が久しぶりに2人に逢いにやってくるがどうやらきよを連れ戻したい様子。やっと料理人の門口に立てたのに、これからなのに帰るものか。父親も2人の成長した姿に満足して無事ご帰阪。きよが働く料理茶屋「千川」は相変わらず商売繁盛。次男の彦之助は賄い弁当作りをきっかけに新しい弁当の注文が入ったりで腕を磨きつつある。主であり彼らの父親である源太郎が時には息子と言い合い、きよには優しく、料理人の先達としての存在がいい。きよのネガティブ思考が続く限り彼女は前進のみ。2022/04/17
雅
82
相変わらずネガティブ思考なきよだけど、周りから押されたりライバルとしての彦之助の存在もあり前進してきた。イツカきよのお店が誕生するのか楽しみ2022/07/09
ツン
75
はなちゃんのお嫁入りのエピソードが良かったです。2023/06/03
ゆみねこ
70
料理屋「千川」で無くてはならない存在になったきよ。久しぶりに再会した父にも認められ益々精進する。時々後ろ向きになるきよに少しイラッとさせられながらも料理人として成長してゆく姿は清々しい。夢に出てきたお店はいつか実現するのかな?2023/07/06
真理そら
69
逢坂から父親がきよと清五郎を連れ戻しにやってきた。きよを逢坂に連れ戻して元のような生活をさせるのかと清五郎が父親に抗議したのが読者としては嬉しかった。きよの自己肯定感の薄さはそういう生い立ちのせいだと弟は分かっているのかもしれない。登場する料理は相変わらず美味しそうだけれど(特に彦之助のお弁当が)、板長・弥一郎のきよに対する感情なども気になった。2022/04/06