内容説明
中卒集団就職者が書いた「昭和」のあの日、あの時。入社したその日から「徹夜作業」。三年・五年間「無給」で働かされた二人の女工。就職列車のデッキから振り落とされ裸足で列車を追いかけた佐賀県出身の少年。四国八十八箇所霊場巡りの途上「小松島港」に散った流しのギター弾き。バスガイド転じて年商三〇億円の起業家に―悲喜交々、集団就職者たちが織り成す高度経済成長期のドラマ!!
目次
集団就職‐高度経済成長と“金の卵”―心の応援歌「あゝ上野駅」
「集団就職」とは「集団求人」のことである―「職工事情」から「集団就職」まで
作家が書いた「集団就職者」―労働力としてだけ値ぶみされる存在
「集団就職者」の足跡をテーマに書いた本―「社会のために役立つ存在として、生きていきたい」
昭和二十九年四月「夜行列車」で独り弘前を発つ
それぞれの春夏秋冬(1)与論・供利港を発ち『浮島丸』で神戸港へ
それぞれの春夏秋冬(2)七五歳になった今「幸せ」を実感
悲喜交々―終わり良ければすべて良し
「73歳の年祝い盛大に」―晴れ姿で与論銀座をパレード
奄美の先輩の特別寄稿 与論の同期・後輩の手記
そこに二つの道があるならば、ためらうことなく、困難な道を選べ
それぞれの春夏秋冬(3)定時制高校の同期たち
今は亡き同志たち
自分史 基佐江里
『浮島丸』の航跡
著者等紹介
基佐江里[モトイサエサト]
1946年1月、満蒙開拓移民の子として中国遼寧省に生まれ、鹿児島県与論島で育つ。1961年3月与論中学を卒業後、集団就職で上京。神奈川工業高等学校定時制電気科を経て日本大学文理学部哲学科に学び、同大学大学院文学研究科哲学専攻修士課程修了。転職を重ねたのち編集者生活を経てフリーに。がん患者向けの医療情報誌『月刊がん もっといい日』『がんを治す完全ガイド』編集長などを経て2009年4月、株式会社蕗書房を設立。季刊『ライフライン21 がんの先進医療』を創刊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。