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大衆運動 (復刊版)

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  • サイズ A5判/ページ数 194p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314009355
  • NDC分類 361.62
  • Cコード C0036

出版社内容情報

「沖仲仕の哲学者」の主著、待望の復刊
宗教運動、ナチズム、共産主義、ナショナリズム……。いったい何が人々をそんなにも魅了し、集団行動にのめりこませていくのか? 古今東西の大衆運動の有り様を考察し、それらに共通する特性をあぶりだしながら、運動の発生・拡大のダイナミックスを活写する名著。「沖仲仕の哲学者」と呼ばれたホッファーの主著にして、人文社会諸学の必読文献である。

「今、ホッファーがブーム!!」
新聞にもホッファー特集の記事が出ました。
朝日新聞(3/9)「このブームは、日本人がより直接的で思索的なメッセージを求めているからか」、日本経済新聞(3/9)「地道な生活に根ざした鋭い警句は、不況の時代に生きる現代人の心の支え」、等。


2003年掲載
朝日新聞3/9、日経新聞3/9、北海道新聞8/17

内容説明

宗教運動、ナチズム、共産主義、民族主義運動―いったい何が人々を魅了し、集団行動にのめりこませるのか?沖仲仕の哲学者による社会思想の古典的名著。

目次

第1部 大衆運動の魅力(変化を求める欲望;身代りを求める欲望;大衆運動間の交流)
第2部 潜在的回心者(好ましからざる人びとの社会的役割;貧困者;不適応社;極端な利己主義者;無限の機会に直面している野心家;少数派;退屈している人;罪人)
第3部 共同行動と自己犠牲(序説;自己犠牲を促進させる要因;統一の動因)
第4部 発端から終焉まで(言論人;狂信者;実際的な活動家;大衆運動の良否)

著者等紹介

ホッファー,エリック[ホッファー,エリック][Hoffer,Eric]
1902年、ドイツ系移民の家具師の息子としてニューヨークに生まれる。幼い頃より15歳まで事実上視力がなく、正規の学校教育はまったく受けていない。視力が戻ってからは金鉱や港湾などで働きながら、暇をみつけては読書や思索にふけり、1951年に本書を発表、大反響を呼んだ。その後も、1967年に65歳で引退するまで沖仲仕として働きつづけ、1964年から数年間はカリフォルニア大学バークレー校で講義も行なった。1983年、逝去。アメリカ大統領自由勲章受章

高根正昭[タカネマサアキ]
1931年、東京生まれ。学習院大学政治学科卒業。スタンフォード大学修士、カリフォルニア大学バークレー校博士(社会学)。カリフォルニア州立大学助教授、上智大学教授を歴任。1982年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

19
狂った社会を生成する要因となる社会構成員を類型化した上で、一つ一つ紹介していく。暇なひとや不満を抱えているひとなどに分けた他、さらに細かくリッチな専業主婦や失業者、退役軍人など詳しいタイプを紹介する。貧しすぎ、かつその機関が長いと逆に集団運動に熱中しないという下りは、北朝鮮を連想した。中産階級の中途半端な知見の集団という意味では、日本やヨーロッパなどの先進国を連想した。2016/10/03

白義

12
宗教運動から社会革命、民族主義までありとあらゆる大衆運動に通底するもの、それは惨めな自己からの逃避と憎悪、そしてそれによる死をも覚悟した狂信的統一である。例えば北朝鮮のように単に社会に問題が多くあるというだけでは社会運動は生まれない。そこには幻影であれ憎むべき現在を放棄してまで実現すべき未来への希望とビジョンが必要だからだ。ではどのような人間が自己からの逃避を望み、そこから始まった大衆運動がどのような運命をむかえるのか、それを示唆に富む文章で描いていて、今の社会を読み解く上では欠かせない古典の一冊と言える2017/08/20

rabbitrun

5
宗教運動、社会革命、民族運動といった大衆運動の本質──人はなぜこうした運動に身を投じるのか──について分析した本で、とても読み応えがあった。著者によると、人は自分の人生が台無しにされたと考えるとき、無意味な自己から逃れるために、神聖な大義を持ち出して、これに救いを求めるらしい。それがやがて大衆運動の大きなうねりとなって世界を変えるという図式は説得力があり、これだけで歴史のメカニズムの説明がつきそうなほどである。2012/07/18

mkt

3
大衆運動は支持者の内部に死の覚悟と統一行動の傾向を生み出し、狂言、熱狂、熱烈な希望、憎悪、不寛容を育てる/欲求不満を持つものが初期の支配者となる→信者(狂言者)になり支配する/①欲求不満は、外部からの改宗を迫る刺激が全く存在しなくても、それだけで忠実な信者の特色となるものをほとんど全て生み出すことが可能②回心を効果的に行わせる技術の基本的な点は欲求不満に落ちいった人々だけがもつ傾向と反応を植え付け固定することにある/存在意義を自己の外部に求める傾向がある/ 20210724読了 194P 29分 2021/07/24

Roko

3
『病人や中年を過ぎた人が保守的であるのも、実はやはり、未来が怖いからである。彼らは衰亡の兆候を警戒し、変化といえば大抵良くなるより悪くなるものだと感じている。これと同様に、きわめて貧しい人達にも未来への信仰がない。(本文より)』 「未来が怖い」ということは、夢がないということですね。夢がなかったら、何が楽しくて生きていくのでしょうか?自分自身に楽しいことがなかったら、楽しみは「人の不幸」 ってことになってしまうのかなぁ?それは余りにもつまらない。でも、それが今の日本の姿であるような気がする。2007/07/25

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