内容説明
神経症は心の中ではなく、対人関係の中で起こる。神経症を対人関係を回避するための理由にしている事を理解し、他者への関心をもって他者に貢献できる援助をすることの重要性を明らかにする。
目次
有用でない優越性の目標
人生の諸課題に対処できないこと
共同体感覚の欠如と男性的抗議
愛と結婚の諸問題
神経症的ライフスタイルと心理療法
感情の神経症的利用
家族布置
早期回想
続・有用でない優越性の目標
職業の選択と眠る時の姿勢
臓器言語と夢
著者等紹介
アドラー,アルフレッド[アドラー,アルフレッド] [Adler,Alfred]
1870年‐1937年。オーストリアの精神科医。1902年からフロイトのウィーン精神分析協会の中核的メンバーとして活躍したが、1911年に学説上の対立から脱退した。フロイトと訣別後、自らの理論を個人心理学(Individualpsychologie,individual psychology)と呼び、全体論、目的論などを特色とする独自の理論を構築した。ナチズムの台頭に伴い、活動の拠点をアメリカに移し、精力的な講演、執筆活動を行ったが、講演旅行の途次、アバディーンで客死した
岸見一郎[キシミイチロウ]
1956年、京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。専門はギリシア哲学、アドラー心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yw_revolution
2
引用されていた別の本で、「無意識の働きは本人にとっていつも正しく働いている」という旨の言葉が気にかかっていてこの本を選んだ。 神経症的症状は、本人のライフスタイル=人生の課題の関心事に対して消極的な解決策を取ることを目的に「使われる」というのが主たる内容。そのため、神経症的症状に対してはその症状だけでなく、その人のライフスタイル全体に対して解決を図らなくてはならないとする。ライフスタイルのあり方の説明に用いられる「有用である/でない優越性の目標」というフレーズが印象に残った。 2020/05/26