内容説明
覚醒剤に溺れ、17歳から45歳まで入出所を繰り返してきた男。彼は今、見事に更生し、公園で遊ぶ子供たちにお菓子を配るのを楽しみに暮らしている。薬をやめられず罪を重ねる人間の弱さと、世の中のために生きようと誓うまでの心の軌跡を綴った、激しくも哀しい男の告白。
目次
第1章 ケンカに明け暮れた青年時代(学校に友達はいない;何度も警察に補導される ほか)
第2章 覚醒剤の怖さ(軽い気持ちで始めてみると…;覚醒剤が広まった理由 ほか)
第3章 留置所・拘置所・刑務所(テレビ番組「警察24時」のウソ;社会正義より己の出世 ほか)
第4章 女房との出会いで人生が変わる(仕事が見つからない;C型肝炎の治療 ほか)
第5章 人のために生きること(更生とは何か;ボランティアについて ほか)
著者等紹介
中林和男[ナカバヤシカズオ]
昭和38年1月大阪府堺市生まれ。新聞配達員。中学2年生の時に覚醒剤を覚え、その後ヤクザの世界に身を置くが、ヤクザ社会からもはじき出されて一匹狼のはぐれ者となる。犯歴23犯、前科11犯。獄中生活20年を経て、現在の女房と出逢ったことで人生が180度変わり、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
43
虐待家庭で育ち、罪を重ねる人生を送る…しかも罪名はほぼすべて薬物所持。中二で軽い気持ちで始めた覚せい剤が40年近く彼の人生を支配していたんだなあ…。何度も何度も罪を重ねた彼が立ち直れたのは、すべてを認め愛してくれる女性と出会ったから。…麻薬常習者に極刑を下すことが真の救済ではない気がしました。嘘のない語り口が魅力的です。覚せい剤の長期にわたる常習が体にどう作用するのかを学ぶためだけにでも読む価値があるノンフィクションだと思います。新刊コーナーから。2022/08/29
キンセンカ
3
厳しすぎる過去を他人目線であっけらかんと書いているのが、余計に厳しさを感じさせる。2020/03/24
kowoegaku
3
本になるのはスティーブジョブズやイチローだけではない。 底辺ヤクザの薬物中毒と服役の回顧録。 中島義道「働くことがイヤな人のための本」で失敗し続けた人の人生記があれば読んでみたいと書いてあったがこうゆうのですかね。 それと、覚せい剤は絶対にアカン! もっと厳罰化しないといけないようです。2020/01/26
anko
1
ノンフィクション。中二から覚醒剤を覚え、犯歴23犯、前科11犯、極中生活20年。出所したその日からまた、薬漬けの毎日。たった一度の覚醒剤から、どれだけの人を不幸にしてきたことか。改めて覚醒剤の怖さを知り、背筋が寒くなるほど。この世の中から消えて欲しい。現在は、奥様と出会い覚醒剤を断ち切り、平穏に暮らせているが、自分の罪を死ぬまで持ち続ける覚悟を感じた。覚醒剤の怖さ、断ち切った経験など、世の中に広めてほしい。2023/10/25
こっき
1
著者さんのおっしゃる通り薬物犯罪はもっともっと厳罰化しないといけないと思う。それから薬物使用によってリアルに人間が人間でなくなっていく過程や悲惨な結末をもっと国民に知らせてほしい。2021/10/03