内容説明
近現代における日中間のしがらみを冷静かつ客観的に分析する―著者宮脇氏渾身の一冊。
目次
序章 尖閣問題とは何か
第1章 「中国」とは何か
第2章 近代以前の歴史
第3章 アヘン戦争の衝撃
第4章 清の衰退―太平天国の乱と第二次アヘン戦争
第5章 洋務運動と日本の明治維新―清はなぜ日清戦争に負けたのか
第6章 孫文にまつわる真実と嘘―辛亥革命から国共合作へ
第7章 二十世紀前半の日中関係史
著者等紹介
宮脇淳子[ミヤワキジュンコ]
1952年和歌山県生まれ。京都大学文学部卒、大阪大学大学院博士課程修了。博士(学術)。専攻は東洋史。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員、東京外国語大学・常磐大学・国士舘大学・東京大学などの非常勤講師を歴任。最近は、ケーブルテレビやインターネット動画で、モンゴル史、中国史、韓国史、日本近現代史等の講義をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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T坊主
13
1)自ら積極的に真実を追求しようとしない人達は、この本で書いてある事と学校教育とが違うことにびっくりすることでしょう。2)1972年に日中国交正常化交渉の際、日本政府は弱腰だった。成果を焦ったのでしょう、アメリカに乗り遅れるなと。何事も焦ってはダメだという事。2)中国人にとっての歴史認識は、力で奪ばったものを正当化する。中国自身の歴史がそうだから。3)チイパオは満州族支配階級の服だった。4)大ぼら吹きの孫文が日本で偉人として扱われている誤った歴史認識。5)近隣諸国条項というものにより史実を歪めてきた。2016/06/24
軍縮地球市民shinshin
11
中国近現代の通史。著者が指摘している通り、東洋史学者というのは、あちら寄りの見解を示している者が多い。本書はできる限り中立に、史実に沿って概説されている。シナという大陸は様々な民族が割拠していて、王朝も歴史も分断されている。この点を頭に入れてかからなければならない、ということを知った。良書である。2016/06/12
紅井流星
6
アヘン戦争も日清戦争も学校では習ったが、それが日本や清にどのような影響があったかまでは習わなかった気がする。しかし40年近く前なので記憶が飛んでいるだけかもしれない。江戸時代でも長崎においてアヘン戦争の結果やヨーロッパ各国がアジアを侵略している情報を把握していたことも驚きである。中華民国の父として名高い孫文は結構いい加減な人だったんですね。2016/10/07
エックスマス
5
今まで宮脇先生の著書は何冊か読んでいるので分かりやすかった。漢人とはどういう人達かはいまいち分かってなかったので勉強になった。中国は異民族の王朝もあり常に漢人の国だったわけじゃない。日本はずっと日本だから中国も同じ感覚で考えてしまいがちだが全く日本とは違うのである。2016/06/09
Yoshika Komatsu
2
■セット販売で購入した宮脇本。 ■加筆修正された改訂版「教科書には書かれていない封印された中国近現代史」が手元にあるので、とりあえず通読してみる。2021/09/15