内容説明
なぜ私たちの理性は伝統に支えられなければならないのか?ディルタイの精神科学にハイデガーの存在論を架橋し、言葉の深みへとその投錨を試みるガダマー解釈学の全貌!
目次
1 ガダマーの伝統的解釈学批判は誤っているのか?
2 歴史的な存在者には過去の理解は不可能なのか?
3 先入見はテクストの意味への接近を閉ざしてしまわないのか?
4 現在の地平しかないのに地平融合とは何を意味するのか?
5 なぜテクストの意味は著者の意図を超えるのか?
6 ガダマーは解釈の相対主義に陥っているのか?
7 了解に共通性は必要なのか?
8 テクストは自ら語るか?
9 ガダマーはヨーロッパ中心主義者か?
著者等紹介
巻田悦郎[マキタエツロウ]
筑波大学大学院哲学・思想研究科修了(文学博士)。フンボルト財団奨励研究員(ハイデルベルク大学)を経て、東京理科大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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有智 麻耶
0
ガダマーに対する誤解に応えていく、という形をとっているので、そもそもの問題関心などが掴みにくく、特に前半はとっつきにくかった。知りたかったのは、チャールズ・テイラーが多文化主義の文脈で度々引用する「地平の融合」概念についてだったが、ガダマーはそれを歴史の理解と絡めて考えているということがわかった。そもそも入門書が少ない哲学者であるため、こういう程よい分量で読みやすいものが出ているのはいいと思う。(あまり評判が良くない気がするが、)丸山高司の『ガダマー:地平の融合』を読んで足りない部分を補強したい。2017/08/29
星規夫
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まずばディルタイとシュライエルマッハーの著作を読まないといけないことがわかった。理解が難しい。しかし、とても魅力的な内容だった。2015/12/01
いとう・しんご
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現代ドイツの哲学者ガダマーの解釈学の入門書。とはいえ哲学的な議論にあまり深入りせずに解釈学の話にまとまっており、できるだけ平易な例え話を織り交ぜて、とても読みやすい作りになっています。本好きな人に読書する営みとはどういうことなんだろう、と言う視点でお読みいただきたいなぁ。2021/02/13
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