内容説明
太宰治を母源喪失の観点から分析する、かつてない太宰治論。北海道を代表する詩人であり、太宰治とルーツをともにする著者が、太宰治の心の深奥に迫る。太宰治ファン必読の書。
目次
1 母源へのいざない(母源喪失のいたみ―母たねからの隔離と、代母としての乳母と叔母きゑ;津軽・母源世界の差し招き―育ての乳母タケの出現 ほか)
2 地母神コンプレックスの曙(根源世界への誘導者・タケ―縄文人タイプへの帰還;地母神コンプレックスの罠―タケの母性我 ほか)
3 母源奪還の旅(「日常我」と「非日常我」と「包摂我」の三極構造;憑依としての「非日常我」―小説『哀蚊』と『斜陽』 ほか)
4 マルキシズムへの母源迷走(通過儀礼のアーチ;「原始共同体」への回帰願望 ほか)
5 母源の遁走(エロスの罠;エロス・タナトス共時現象としての自死 ほか)
著者等紹介
原子修[ハラコオサム]
1932年、函館市生まれ。詩集『鳥影』で北海道詩人賞受賞、『未来からの銃声』で日本詩人クラブ賞受賞、『受苦の木』で現代ポイエーシス賞受賞。詩劇53作品118公演を道内・道外・海外で実施し、北海道芸術新賞・北海道文化奨励賞・札幌市民芸術賞・北海道文化賞を受賞。童話集『月と太陽と子どもたち』で北の児童文学賞特別賞を受賞。日本文藝家協会員、日本現代詩人会員、日本詩人クラブ会員、北海道文学館参与、北海道龍馬会会長、札幌大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- 山田全自動の落語でござる