内容説明
アドラーが児童相談所において教師の前で行った症例検討と親と子どもとのカウンセリングの記録。子どもの問題行動の背景には固定観念になりうる劣等感がある。本巻では、このような劣等感から子どもを解放し、人生の課題に立ち向かう自信を持てるために、親や教師がどんな援助ができるかが示される。
目次
自尊心の誇張
落第生
父親が共同体感覚の発達を妨げる
甘やかされた末子
思春期の危機
単独子
勇気をくじかれた末子
精神発達遅滞、それとも教育困難?
誤って導かれた野心
憎まれた子ども
支配しようとする単独子
王座から転落した第一子
自尊感情を高めるための手段としての嘘
空想における英雄の役―現実における有用な代用としての
トラブルメーカー
失われた愛のために盗む
おねしょをする子ども
結びつく手段としてのおねしょ
優秀なきょうだいがいる子ども
親とどう話すか
保育園の仕事
著者等紹介
アドラー,アルフレッド[アドラー,アルフレッド][Adler,Alfred]
1870年‐1937年。オーストリアの精神科医。1902年からフロイトのウィーン精神分析協会の中核的メンバーとして活躍したが、1911年に学説上の対立から脱退した。フロイトと訣別後、自らの理論を個人心理学(Individualpsychologie,individual psychology)と呼び、全体論、目的論などを特色とする独自の理論を構築した。ナチズムの台頭に伴い、活動の拠点をアメリカに移し、精力的な講演、執筆活動を行ったが、講演旅行の途次、アヴァディーンで客死した
岸見一郎[キシミイチロウ]
1956年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、京都聖カタリナ高校看護専攻科(心理学)、近大姫路大学看護学部・教育学部(生命倫理学)、明治東洋医学院専門学校教員養成課程(教育心理学)非常勤講師。日本アドラー心理学会認定カウンセラー、日本アドラー心理学会顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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