内容説明
大正ロマンの時代…人びとの心をとらえた“夢二式”美人。その表現と社会現象から流行の理由を探る。
目次
第1章 社会現象としての“夢二式”
第2章 「美術趣味」の時代
第3章 雑誌のビジュアル化と美術系投稿欄
第4章 竹久夢二と少女たち
第5章 インテリ青年たちの夢二受容
第6章 夢二の描写
第7章 前衛と抒情―「ひとつ眼」と悩める人形
第8章 繰り返されるモチーフ―スクラップブックと“夢二式”写真
著者等紹介
高橋律子[タカハシリツコ]
1969年生まれ。1995年東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。2007年金沢美術工芸大学大学院博士課程修了、博士号(芸術)取得。2002年より金沢湯涌夢二館学芸員を経て、現在、金沢21世紀美術館学芸員。美術史学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒロミ
57
面白く読んだ。竹久夢二を社会現象という面から読み解いた論考。夢二は少女たちに支持された抒情画というイメージが強いが、地方のインテリ青年たちの夢二受容という側面があったとは驚きだった。夢二の絵は大衆に模写及び転写され大正の一大ムーブメントとなっていった。夢二式美人と大正時代という感傷の時代の波長が合ったと言うべきか。意外だったのは夢二のデビューは明治時代で大正半ばにはもう流行遅れになっていたということ。それでも幾度も再発見されリバイバルされる夢二人気。日本人がここまで夢二に惹かれる理由をもっと探りたい。2016/05/15
ゆき
1
社会現象としての考察がある一冊。 イラストとしてというよりも、想像以上にまじめな本でした。2015/08/01
R.Y.
0
博士論文を付け足して社会と夢二に密接した本。 夢二がフリーメイソンに関係しているという記述に興味がわいた。 少女、青年、大衆ということなる目線から夢二に近づく。2012/07/01