内容説明
人生についての意味づけ(ライフスタイル)を変えれば、世界は驚くほどシンプルになる。心理学の巨匠が、平易な言葉で雄弁に語る幸福論。下巻では、共同体感覚を育むための学校教育の重要性、犯罪の予防と犯罪者の更生、人類のためになされるべき結婚の意義について論じる。
目次
第7章 学校の影響
第8章 思春期
第9章 犯罪とその予防
第10章 仕事の問題
第11章 個人と社会
第12章 愛と結婚
著者等紹介
アドラー,アルフレッド[アドラー,アルフレッド][Adler,Alfred]
1870年‐1937年。オーストリアの精神科医。1902年からフロイトのウィーン精神分析協会の中核的メンバーとして活躍したが、1911年に学説上の対立から脱退した。フロイトと訣別後、自らの理論を個人心理学と呼び、全体論、目的論などを特色とする独自の理論を構築した。ナチズムの台頭に伴い、活動の拠点をアメリカに移し、精力的な講演、執筆活動を行ったが、講演旅行の途次、アヴァディーンで客死した
岸見一郎[キシミイチロウ]
1956年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、聖カタリナ高校看護専攻科(心理学)、近大姫路大学看護学部(生命倫理学)非常勤講師。日本アドラー心理学会認定カウンセラー、日本アドラー心理学会顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パフちゃん@かのん変更
49
『協力』という言葉が大事にされていて、「協力を学ばなかった子供は後に神経症者、アルコール依存者、犯罪者、あるいは自殺者になる」と書かれています。「教師を通じて我々はすべての子ども達に接し、すでになされた誤りを正し、子ども達を自立心があり、勇敢で協力的な人生に向けて訓練することが出来る。ここに人類の未来における幸福のための最大の約束がある」と書かれていますが、う~ん、難しい。『道義を重んじ、自主独立の精神を養い、協力一致事にあたりましょう』という中学校の校訓を思い出しました。でも、どうやって・・・?2014/10/30
唯誠
8
下巻では、共同体感覚を育むために、学校の影響、思春期、自然と環境、身体の遺伝、犯罪者の心、犯罪者のパーソナリティ、精神障害、臆病、また仕事、結婚に至るまでを対象とし論じている。 家庭環境や貧困、器官劣等性な身体のハンディキャップや社会的な不利なことなど、われわれには知識や経験というものから、対処する正しい方法があるが、それがあるのかないのか否かで、物事に対する意識は変わる。ライフスタイルを扱うものだけが、心理学と… 2020/11/03
CCC
8
アドラー心理学に触れたくてこの本を手に取ったけれど、これが最初の一冊で果たして良かったのだろうか。(例えば前提の建て方なんかが)思ってたより学術的じゃないというか、自己啓発的、あるいは哲学的? うぅむ、こういうものなのか……?2016/01/18
Ribes triste
7
初めてのアドラー。すっきりとした非常に洗練された文章ですが、その内容はストレートに心に沁み込んできます。心理学の本というよりも、人生をよりよく生きるためのすべを教えてくれる本です。誰もが人生において困難に直面した時、どう対処し受け入れるかに悩みますが、悩む私たち自身が考える余地を残しておいてくれるやさしさを感じます。2016/02/07
mintia
5
難しかった。時機を見て再読したい。2017/03/14