内容説明
“さまよえる湖”の呼称ともなったロプ・ノール―その砂漠の果ての地は、かつてシルクロードにおける交通の要所でもあった。いまは廃墟となったその都市こそ、幻のオアシス楼蘭である。あのNHK特集「シルクロード」の世界が、ここによみがえる。
目次
楼蘭古城砂原に浮かび上がる(スウェン・ヘディン楼蘭に入る;A.スタイン、楼蘭で略奪の限りを尽くす ほか)
古い資料より楼蘭を求む(楼蘭は漢代史上最も敏感な神経であった;楼蘭王国扞泥城に遷都す ほか)
遺跡文物に凝集された楼蘭史(枯れ草吹き荒ぶ中、楼蘭を尋ねる;古代楼蘭人 ほか)
滄海変じて桑田となった古代楼蘭(懸念が深まるロプ・ノール大地;ロプ・ノールの移動と楼蘭の荒廃 ほか)
楼蘭重大事年表
著者等紹介
王炳華[オウヘイカ]
1935年江蘇省南通に生まれる。1960年北京大学歴史学部考古学科を卒業、同年より新疆ウイグル自治区にて考古学に従事し、以来40年。ロプ・ノール古墓溝、ハミ五堡、天山阿拉溝、呼図壁生殖崇拝の岩絵を発見、発掘。新しい考古学研究領域を拓き、新概念を打ち出している。これまで5回楼蘭へ行き、砂漠の古代遺跡―ニヤの中日合作調査、発掘を7年連続で主宰する。実践の基礎に立ち、新疆青銅器時代、楼蘭早期文明、生殖崇拝、古代新疆住民及びその文化、タクラマカン砂漠のオアシス廃棄の内在要因などの観点を打ち出し、学会からの注目を集めている。前新疆文物考古研究所所長として、新疆での突出した貢献をした優秀な専門家に2回選出される。1992年より国務院特殊手当てを受けている
渡邉剛[ワタナベツヨシ]
1969年兵庫県生まれ。関西大学社会学部卒業後、同大学院文学研究科歴史地理学専攻に進む。東洋史修士課程修了。楼蘭などのシルクロード研究をしていた大学院在学中の93年、中国新疆ウイグル自治区に旅行し、現在の交流にも関心を抱く。95年から、上海、北京に留学し、中国語を学ぶ。97年からは上海、北京、天津の日系企業に就職。2006~2008年、新疆ウイグル自治区ウルムチの新疆大学にてウイグル語を学ぶ。2008年3月~北京の中国人民大学にて、客員教授である王炳華教授に師事し、楼蘭研究を再開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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