内容説明
一九八二年、横浜はまだ美しかった―。小学五年で転校してきた“あたし”は、風変わりなおんぼろ塾に通うことに。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!そんな永遠に終わらない“かけがえなき愚行”の日々―。しかし、やがて皆がワケアリの子供達ばかりだと気づく。それはあたし達を温かく見守る塾講師“ご先祖様”の方針だった―友情、初恋、そして…生と死。著者の実体験をベースに綴られた物語は、ネットで公開されるや瞬く間に大反響に!これは誰の心にもある懐かしくも切ない“あの頃”の物語。
著者等紹介
山口小夜[ヤマグチサヨ]
1972年生まれ。横浜市出身、東京都在住。不二聖心女子学院を経て、聖心女子大学文学部歴史社会学科卒業。高校在学中の17歳の時に、自らの体験を基にした小説『青木学院物語』を手書きで大学ノートに書き上げる。その後、10年以上の歳月を経て、友人の死を機に一念発起。原稿に改良を加え、PCに打ち込むとネット上で公開開始。瞬く間に大きな反響を呼び、出版化にいたる。普段は主婦・子育ての傍ら、翻訳・各種ライターとして活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GORIRA800
11
塾を舞台にした結構珍しい物語 小学生ながらの微妙に踏み込みつつもどこかわからないところもある関係性に魅力を感じた 小学生同士の会話ってなんか魅力的だなって思った 塾という学校とはまた違う子供同士のコミュニティっていいね2022/05/07
柏葉
7
横浜鶴見が舞台の、青木学院という私塾に通う子供達の物語。小学校高学年って、こんな感じだったなぁ。男子は身体を動かして遊び、女子はお喋りに興じる。時にはいたずらのために協力し、一緒に遊び、初恋も生まれる。このかけがえのない瞬間は、あとで思い返して初めてかけがえのない時間だと気付く。10人近く子供が登場するが、彼ら彼女らの全てが分かったとは言わない。主人公視点からだと、仲良くなった子もいるし、深く付き合うところまでいかなかった子もいる。全員が均一でないところが自然。もっと読まれていい小説。お薦めです。2011/12/24
青葉麒麟
6
中学受験をした事がないので、小学生で塾に通うってのは目新しかった。ただ一寸登場人物の会話が軽すぎで中々入り込めなかった。色んな登場人物がいたけれど、私はヒロが良いな。塾の講師をアダ名で呼ぶのはどうなんだろう?2013/08/05
なめさん
4
読み終わった後にもう一度はじめから再読。読み始めると止まりません・・・2012/12/07
なな
3
感動ものです。笑い、涙、生と死。年の初めにいい本に出会えました。 もっと多くの人が読んでもいいと思う、本当に。2015/01/04