内容説明
1941年、日本軍のパールハーバー奇襲により太平洋戦争が勃発。アメリカ海軍は戦局を打開すべく、潜水艦隊を日本艦艇の通航の要衝である豊後水道へ派遣、商船隊を集中的に攻撃して補給路を断とうとした。だが米海軍潜水艦の前に立ちはだかったのは、日本駆逐艦を率いる歴戦の勇士“豊後ピート”だった―両者の熾烈な攻防、海の男たちの誇り、人間ドラマを当事者の目から克明に描いた記念碑的作品。名作映画の原作、初の完訳。
著者等紹介
ビーチ,エドワード・L.[ビーチ,エドワードL.][Beach,Edward Latimer]
1918年、海軍軍人の息子として生まれる。1939年海軍士官学校卒。第二次世界大戦で海軍十字勲章を受けた。戦後アイゼンハワー大統領の海軍顧問を務め、その合間に書き上げた『深く静かに潜航せよ』は世界的ベストセラーとなり、映画化された。2002年12月1日、ワシントンの自宅にて逝去
鳥見真生[トリミマサオ]
北海道生まれ。東北大学法学部卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
22
140潜水艦VS駆逐艦の対決は意外とあっさりめでしたが潜水艦乗組員達の生活や潜水艦操作そして初期の魚雷の不良品の多さに泣かされた話がしっかり書いてあってリアルに感じました。それに主人公のリッチ艦長のライバルの日本駆逐艦艦長に当初は畏怖の感情をいだいていて好敵手だったけど親友や元部下達を殺されてから復讐心に燃え敵艦長を殺す執念に囚われていく所は少し怖かったです。狭い潜水艦の中で長く共に過ごすので人間関係が濃厚になるので上司と部下という単純な関係よりお互い相性の方が重要だと分かりましたか。2021/12/26
金北山の麓に生まれ育って
2
【日本人が殺されていくのは良い気持ちしなかった】古い映画、古典的な駆逐艦対潜水艦の一騎打ち物、が面白かったので原作を手に取った。映画は日本軍が西部劇のインディアンみたいな扱いで気になったが奇異ではなかった。Uボートも米軍潜水艦も民間人を乗せた商業船を沈めまくった、これは民間人虐殺みたいなもの、ここでも散々沈めらる、祖父や祖母が殺されていくようで腹が立った。主人公達は友や部下を殺したと日本軍と日本人を憎み非戦闘員や無抵抗の軍人を惨殺する、この戦争と軍人のリアルさが本作を古典として読み継させてきた理由なのかも2021/02/21
ぱぱみんと
2
この作品に刺激されて、世に出た数多くの作品に比べると、なんとなく物足りなさは感じたものの、さまざまな要素を盛り込んだ、読ませる面白い作品ではありました。最初にこの作品を読んでいたら、もっと感動できたかも。同じ頃に出た、アリステア・マクリーンの作品のほうが、重厚な感じがして好きです。2017/03/07
文若
0
豊後ピートが出てきてから俄然面白くなりました。あと潜水艦もので出てくる指令の応酬にロマンを感じるのは私だけかしら。2010/06/22