内容説明
遺書の中で今初めて明かされる母の過去。戦時下の長崎で繰り広げられる人間ドラマ。―不倫、初恋、父親殺し―カナダ・ケベック在住の日本人女性作家がフランス語で深甚の思いを込めて書いた渾身の感動力作。
著者等紹介
シマザキ,アキ[シマザキ,アキ][Shimazaki,Aki]
1954年、岐阜県生まれ。1981年よりカナダへ移住。1991年よりケベック州モントリオール市在住。1999年現地にて、フランス語で初めて書いた小説『Tsibaki―椿―』を発表し、大きな話題を呼ぶ。その後続編として『Hamaguri―蛤―』『Tsubame―燕―』を発表し、意欲的に創作活動に取り組んでいる
鈴木めぐみ[スズキメグミ]
1967年、広島県生まれ。立教大学文学部卒。1994‐1999年フランスに滞在。1996年ソルボンヌ大学文学文明コース上級ディプロム取得。1998年パリ第四大学文学部美術史学科第一課程修了
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感想・レビュー
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nranjen
3
著者は日系カナダ人で、この本はフランス語で書かれたものを翻訳したもの。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AD%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%82%B6%E3%82%AD フランス語は成人してからでアゴタ・クリストフに影響を受け作家活動をはじめたらしい。簡潔な文体、表現で、戦争の悪が紋切り型ではなく、人間の悪自体を問うている点が非常に好感を持った。こういうことは日本語ではない言語で書くことに意義があると思った。2020/07/11