内容説明
新美南吉の、もぎたてのくだもののようにみずみずしい、ようねん童話絵本。
著者等紹介
新美南吉[ニイミナンキチ]
1913年~1943年。愛知県生まれ。雑誌『赤い鳥』に「ごん狐」を初め多くの童謡・童話を発表。他に少年小説、民話的メルヘン等、優れた創作活動を展開したが、二十九歳で早逝
司修[ツカサオサム]
1936年、群馬県生まれ。画家、作家、大学教授、エッセイストと、きわめて幅広い分野で表現活動を行っている。絵本『まちんと』(松谷みよこ・文、偕成社)でライプチヒ国際図書デザイン展金賞を、小説『犬(影について・その1)』で川端康成文学賞を受賞
保坂重政[ホサカシゲマサ]
1936年、新潟県生まれ。『校定・新美南吉全集』(大日本図書)を初め新美南吉作品の企画・出版に編集者として関わってきた
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感想・レビュー
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紫綺
68
絵本には珍しく、表題作と「赤いろうそく」2篇を掲載。「ごんぎつね」が有名な新美さんだが、この話は地味だがやさしい。絵も渋い色使いでやさしい。蝶と蛍の狂喜乱舞♪2018/07/01
ヒラP@ehon.gohon
29
新美南吉のお話も良いけれど、司修さんがお話を幻想的に高めています。 一本の木の放つ匂いという、目に見えないものを具象化して、いぶききを与えてから、蝶の舞いといいホタルたちの集団といい、祭りを盛り上げるのにピッタリの絵本です。 「赤いろうそく」も楽しめました。2022/06/15
とよぽん
26
野原に1本だけ立っている木に花が咲いて、風がそのよい香りを運んでくれます。花を咲かせてもだれも見てくれない。そんな寂しい木を、蝶が花の香りに誘われて訪ねてきます。夕方になると蝶は蛍を誘ってきて、一つ一つの花に蛍の灯が点り、にぎやかに木の祭りが・・・。新美南吉の、優しさあふれる童話。言葉の遣い方に、新美南吉流のかしこまった丁寧さ、静けさが感じられる。2019/01/05
小夜風
23
【小学校】「木の祭り」と「赤いろうそく」の2話。どちらも何とも微笑ましい可愛らしいお話。とても短いお話なのに、その情景はいつまでも心に残ります。2016/02/19
十六夜(いざよい)
15
原っぱの木に白い花がいっぱい咲いたら、チョウもホタルも集まってきて、賑やかなおまつりが始まります。花のにおいを頼りに集まってくる色んな虫たちのほのぼの風景が目に浮かぶよう。短いけれど、素敵な作品。2021/11/18