内容説明
函館慕情…不思議な魅力を秘めた街から生まれた人と作品―特異な風土が生み出した世界。
目次
第1章 函館慕情―『函館ステップ』『津軽海峡・冬景色』『石狩挽歌』『函館の女』
第2章 函館ハーバー―川内康範、GLAY、『函館ハーバーセンチメント』、『北の旅人』…
第3章 函館と森町―石川啄木と李恢成『加耶子のために』
第4章 海外放浪文学の先駆者―長谷川海太郎(谷譲次・牧逸馬・林不忘)の軌跡
第5章 「小説の魔術師」と『新青年』の編集長―久生十蘭と水谷準
第6章 望郷の文学者―亀井勝一郎と「函館八景」
第7章 シベリアと満州を生きる―長谷川四郎の生き方
第8章 格差社会の暗部を照らす―映像で甦る作家・佐藤泰志
第9章 トポスとしての函館―辻仁成の作品
第10章 エンターテイメント系の作家―谷村志穂、宇江佐真理、今野敏
著者等紹介
吉岡栄一[ヨシオカエイイチ]
1950年、北海道森町生まれ。法政大学文学部英文学科卒業。法政大学大学院英文学専攻博士課程満期退学。トルーマン州立大学大学院留学。東京情報大学名誉教授。日本コンラッド協会顧問。日本オーウェル協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HOUKAGO
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道南に育ったという筆者と共通する部分もあり、自分の親しむ街についてたくさんの作品と共に別な一面を知ることができた。歌については、朝ドラのモデルになっている小関さんらの作品も一部登場し、朝ドラファンとしてはタイムリーな話題として読んだ。後半の映画作品のところでは、多少ネタバレが過ぎないかと思いつつ、丁寧にひとつひとつの作品について触れられているので、函館という街の探究テーマとしての奥深さを感じた。2020/07/05
nishipakulu
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著者は道南・森町の人。函館近郊の水産高校に汽車通い、常に函館山を遠望する。その視点で函館の生んだ文学・評論・歌を生んだ歴史と風土の源流を探る。長谷川海太郎とその兄弟、その元町界隈から水谷準、亀井勝一郎、久生十蘭が輩出した背景。そして佐藤泰成、辻仁成、宇江佐真理と文献を渉猟して函館を探求する。元町に力点をおいた著作であるが、この街の不思議な魅力を伝える好著。 一点、高橋掬太郎の項で、かつて繁栄を誇った恵比寿町(十字街)の「銀座」(地方都市でよく見られる)と東京の「銀座」を混同しているのは残念。2020/06/15
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- 和書
- チャーちゃん