内容説明
宇宙物理学者目尻圭介は、ある地方大学に勤務する教員である。平凡無事な教授生活を送っていたある日、彼は同僚のコンピュータ学者田代杏から、彼女たちが開発したばかりの量子コンピュータに起きた時間退行という不思議な現象に悩まされていることを告げられる。その謎を解く鍵が、ロシアの研究者の新素粒子の「発見」と、彼の学生の卒業研究の中にあることに偶然気づいた目尻は、さらに、太陽系に驚くべき未来が待ち受けていることを知ることになる。一見何事もなく穏やかに過ぎる一大学教授の一年の中に織り込まれた知られざる事件を、学生や同僚との日常的な交流を交えながら物語る。
著者等紹介
文遙一［ブンヨウイチ］
１９５５年塩釜市立第三小学校入学。１９７６年東北大学大学院理学研究科博士課程修了。アメリカ物理学会会員（別名にて）。宇宙と星、科学と文化に関心を持っている
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