内容説明
フュージョンが太陽や宇宙のすべてのエネルギー源であることが明らかになって約70年、本書はその考えに達するまで約100年近くの謎解きのスリリングな話から説き起こしています。この原理は、地上で「水素爆弾」という不幸な形ですぐに人工的に起すのに使われました。しかし、それを人類のエネルギー源として利用するのはずっと難しく、これまで50年以上の開発研究がなされてきました。それが、化石燃料枯渇、地球温暖化という人類の危機に瀕して、それに時を合わせるように実現に近づき、ようやく国際トカマク実験炉ITERの建設段階に至りました。これが成功して、その後のフュージョン動力プラントが実現すれば、人類は究極のエネルギー源を手に入れることになります。本書は、フュージョンにかかわるすべての物語を、高校生の物理の知識があれば読み通せるように懇切丁寧に述べた絶好の入門書。
目次
フュージョンとは
質量変換で得られるエネルギー
太陽と星でのフュージョン
人工のフュージョン
磁場閉じ込め
水素爆弾
慣性閉じ込めフュージョン
誤った道筋
トカマク
T3からITERへ〔ほか〕
著者等紹介
マクラッケン,G.[マクラッケン,G.][McCracken,Garry]
カナダ・クイーンズ大学で博士号取得。英国原子力庁(UKAEA)カラム研究所にてプラズマの磁場閉じ込め研究に従事。JET(Joint European Torus、ヨーロッパ連合トーラス)計画において、カラム研究所の「壁面近傍の境界プラズマ研究プロジェクトチーム」の責任者として研究推進。1993年には米国MIT(マサチューセッツ工科大学)にて研究し、1996年にカラム研究所に戻って1999年まで勤務
ストット,P.[ストット,P.][Stott,Peter]
英国マンチェスター大学で博士号取得。英国原子力庁(UKAEA)カラム研究所にてプラズマの磁場閉じ込め研究に従事。1979年にはJET計画の実験第1部長として、プラズマ計測装置の設計・建設・運転および閉じ込め研究を指揮。その間、1989~1999年にはITER(International Thermonuclear Experimental Reactor、国際熱フュージョン実験炉)計画のプラズマ計測システムに関するヨーロッパ代表を務める。1999年から2005年まで、ヨーロッパ原子力機構フェローとしてフランス原子力庁カダラシュ駐在
村岡克紀[ムラオカカツノリ]
中部大学教授、九州大学名誉教授。元九州大学教授、同大学院総合理工学研究科長、プラズマ・核融合学会理事
飯吉厚夫[イイヨシアツオ]
中部大学総長、京都大学名誉教授、文部科学省核融合科学研究所名誉教授。元京都大学教授、文部省核融合科学研究所長、プラズマ・核融合学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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