内容説明
天体力学とは、太陽系内の惑星の運動に代表される、ニュートンの万有引力を及ぼし合う物体の運動を論じる学問である。なかでも太陽系の安定性の問題には、数多くの数学者がエネルギーを費やしてきた。フランスのポアンカレ、ロシアのコルモゴロフ、アーノルド、米国のバーコフ、スメールなど、煌星のごとくである。本書は、カオスや安定性の概念が天体力学の問題からいかに発生したかを、生身の人間の営みを通して生き生きと描いた大河ドラマである。
目次
第4章 安定性(秩序への願い;侯爵と皇帝;球面の音楽;永遠の回帰;世界をかき乱す ほか)
第5章 KAM理論(簡単化して解く;準周期運動;トーラスの摂動;手紙、失われた解、そして政治;証明に悩む ほか)
著者等紹介
ディアク,F.[ディアク,F.][Diacu,Florin]
1959年、ルーマニアのシビウ生まれ。ブカレスト大学で学び、1989年に、ハイデルベルク大学でヴィリ・イェガーの指導のもと、n体問題の衝突特異点に関する論文でPh.D.を取得。1991年よりヴィクトリア大学で教鞭をとり、2000年より同大学教授。主要な研究分野は天体力学、力学系理論、カオス理論、数理物理学などである
ホームズ,P.[ホームズ,P.][Holmes,Philip]
1945年、英国リンカーンシャー生まれ。オックスフォード大学とサウザンプトン大学で学び、1974年に、サウザンプトン大学でR.G.ホワイトの指導のもと、工学の分野の論文でPh.D.を取得。1977年より1994年までコーネル大学で教鞭をとり、1994年よりプリンストン大学教授。主要な研究分野は非線形力学系理論、微分方程式論などである
吉田春夫[ヨシダハルオ]
1983年、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。現在、自然科学研究機構・国立天文台教授。理学博士。専門は天体力学
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感想・レビュー
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takao
PapaShinya