独仏関係と戦後ヨーロッパ国際秩序―ドゴール外交とヨーロッパの構築 1958‐1969

独仏関係と戦後ヨーロッパ国際秩序―ドゴール外交とヨーロッパの構築 1958‐1969

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  • サイズ A5変判/ページ数 259,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784423710692
  • NDC分類 319.3
  • Cコード C3031

内容説明

1958年、アルジェリアをめぐり国家の危機にあったフランスに、第二次大戦の英雄ドゴールは政治指導者として復活した。政権復帰から退陣までのドゴールのヨーロッパ秩序再編構想とその国際的反応を、本書は分析する。膨大な量の仏・独・米・欧州共同体の一次史料から見えてくるのは、冷戦と分断という秩序を書き換え、組み直し、そして突き破ろうとしたアデナウアー、ケネディ、ブラントなどの思惑の交錯・衝突と、冷戦・欧州統合・脱植民地化・独仏関係が連関しあいながら展開される多国間外交の姿である。その外交の末に我々が目にするのは、冷戦構造を侵食する重層的なメカニズムの形成であった。時代の転換点で人々はいかにして次の秩序を模索するのか?―本書は、冷戦構造の変容が進む中で、ドゴール外交を出発点としながら、欧州統合と大西洋同盟の二つの国際秩序において「ヨーロッパ」が立ち上がる様子を活写する。従来の外交史研究では捉えきれなかった、国民国家を超える政治空間の構築を解明する、「ヨーロッパ構築史」の清新な試み。

目次

戦後ヨーロッパ国際関係史の再構築
第1部 「大構想」の実現を目指して 一九五八‐一九六三―ドゴール=アデナウアー時代のヨーロッパ国際政治(アングロサクソン、アルジェリア、世界政策 一九五八‐一九六〇―ドゴール政権復帰後のフランス外交;政治同盟交渉 一九五九‐一九六二;米仏二つの大構想と西ドイツ外交 一九六一‐一九六二;エリゼ条約の成立 一九六二‐一九六三)
第2部 「大構想」後のヨーロッパ国際政治の危機とその克服 一九六三‐一九六九―デタントと共同市場(ドゴール外交の「頂点」 一九六三‐一九六六―自主外交とデタントへの転回;ヨーロッパ・デタント 一九六三‐一九六八―西ドイツによる東西関係変革の模索;ヨーロッパ統合の危機 一九六三‐一九六五;ヨーロッパ共同体の定着 一九六五‐一九六九)
統合されたヨーロッパと多極化された世界

著者等紹介

川嶋周一[カワシマシュウイチ]
1972年鎌倉市に生まれる。1997年北海道大学法学部卒業。2002年パリ第四大学近現代史講座DEA課程修了。2003年北海道大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、明治大学政治経済学部政治学科専任講師。博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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2
ドゴール外交を中心として、1960年代のヨーロッパ統合の変容を論じた研究書。独仏関係の一大イメージ転換として(なんとなく)感動的な印象のあったエリゼ条約に関して、実際には独仏の不一致を抱えていたこと、しかし定期的な外務省局長会議を制度化することでその後の危機打開に対してある程度の効果を持っていたこと等が論じられている。ドゴールの構想が他国に先んじてデタントへ向かったところは、フランスという国の「らしさ」を感じる。また、近代史を理解するにあたって、経済史を抜かすことはできないのだなと改めて反省させられた。2021/12/18

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