出版社内容情報
6世紀末から7世紀初頭の東アジア激動の時代、理想の国づくりに生きた聖徳太子。真摯なその言葉から、知られざる実像にせまる。
6世紀末から7世紀初頭、東アジア激動の時代に、日本国の礎をつくろうとの使命感から、聖徳太子は数々の政策を実施していく。とりわけ、わが国初の成文法である「憲法十七条」の制定は鮮烈であり、その冒頭に掲げた「和をもって貴しとなし」の精神は、日本人のこころのよりどころになっている。本書は、理想の国づくりに生きた太子の真摯な思いを表している言葉を取り上げ、日本人のこころに生きている太子像を明らかにしていく。
内容説明
「和をもって貴しとなし」は、すべての日本人が知っている。だが、いま、その精神が失われていないか?こんな時代だからこそ、太子の言葉に耳を傾けたい。
目次
言葉編(仏教に生きる;和の精神;理想の国づくり)
生涯編(略年譜;聖徳太子の生涯)
著者等紹介
高田良信[タカダリョウシン]
1941年奈良県生まれ。1953年法隆寺に入寺。佐伯良謙管主の徒弟となり、翌年得度する。龍谷大学大学院修了後、法隆寺文化財保存事務所所長・法隆寺執事長・法隆寺昭和資財帳編纂所所長・法起寺住職などを経て聖徳宗第5代管長・法隆寺第128世住職に就任。現在、法隆寺長老、法隆寺實相院住職、日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アムリオ
1
三橋貴明先生が「十七条の憲法」を勧めていたので、読んでみた。 勧めているだけあって、内容は確かに日本人の原点を知るには必要な一書だと思った。 日本人の「和の心」の原点がここにある。 この本は私みたいな一般人にも読んで欲しいが、特に読んで欲しいのが、公務員、官僚、政治家に読んで欲しい。 十七条のうち、半分以上が為政者や官僚に対する戒めに感じた。 1500年前の時代でも、政(まつりごと)に携わる方々の腐敗は悩みとしてあったらしい。2020/07/25
メルセ・ひすい
1
★共に凡夫であることの自覚を…我必ずしも聖に非ず。彼必ずしも愚に非ず。共にこれ凡夫なるのみ。…信があるかないか、それがすべてである…信はこれ義の本なり。それ善悪成敗は、かならず信にあり。 信(誠実)は人が行うすべての道理の基本です。善とか悪とか、成功とか失敗とかは、必ず信があるかないかにかかっています。(「憲法十七条」第九条) 6世紀末から7世紀初頭の東アジア激動の時代、理想の国づくりに生きた聖徳太子。その生涯から真摯な思いを表している言葉を集め、私たちのこころに生きている太子像を明らかにしていく2013/01/06
ybhkr
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法隆寺関係者の方が書いた聖徳太子の本なので当然ながら太子マンセー。梅原猛や山岸凉子のマンガに出てくるような太子はいません。本文と参考文献を見る限り、太子は実在する体で進んでいますが実際のところどうなんでしょうね?えみしの扱い悪いなあ。刀自古もさらっと。入鹿とか馬子とか動物の名前ばっかりの蘇我家。宗教バカの聖人聖徳太子の本、というかんじ。日出処の天子を半分くらいしか読んでないので、けっこうなネタバレでしたが、あれから時間もたっているし、えみしの扱いも違うし、別物として違う展開になってるかもなーと。2013/05/30