出版社内容情報
戦争と平和は表裏一体である。一方にとっての平和が、他方にとっては戦争ということさえある。その意味では、戦争の研究には軍事的観点以外のアプローチも必要である。本書では平和学の立場から、中東イスラーム世界における紛争・戦争の背景と経緯、その特徴を客観的に考察する。争いの原因はその原理ゆえなのか、まったく別の要因があるのか。平和学の研究から「必要悪」としての戦争と平和の関係性、その揺らぎを描く。
内容説明
戦争と平和は表裏一体である。したがって、戦争の研究には軍事的観点以外からのアプローチもまた必要である。本書では平和学の立場から、中東・イスラーム世界における紛争・戦争の背景と経緯、その特徴を客観的に考察する。争いが起こるのはイスラームの原理ゆえなのか、別の要因があるのか。「必要悪」としての戦争と平和の関係性、その揺らぎを描く。
目次
第1章 イスラーム世界の人びとは何と戦っているのか(中東・イスラーム世界の戦争と紛争;紛争の火種と長期化;人道支援の現在と未来;中東諸国の人道支援と難民受け入れの実態―トルコの例)
第2章 中東の核問題―アラブ諸国とイラン(通常兵器か核兵器か―オルターナティブなアプローチとしてのソフトパワー、戦略能力;中東・イスラーム世界の地政学―一九七九年イラン革命後から二〇〇一年九・一一事件まで;イランの核開発問題;核合意の意義と限界;トランプ政権誕生後のアメリカ・イラン関係とイランの核開発の進展;今後のイランの核問題)
第3章 イスラームとジェンダー平等―平和な社会への希求(女性兵士とイスラーム;イスラームとヘジャブ(男女分離)
イスラーム法と女性の権利
シャリーアによる支配か、慣習法か)
第4章 中東の民主化、経済発展とグローバル経済(中東の多様性とGCC諸国の特殊性;石油・ガス依存経済からの脱却は可能か;GCC以外のアラブ諸国―民主化と経済発展は両立するか;中国経済に傾斜する中東の大国)
第5章 新しい戦争の時代を生きる(武力行使とは何か―二〇世紀から二一世紀への変化;ハイブリッド戦争時代に生きる;ロシアのウクライナへの軍事侵攻とその影響)
感想・レビュー
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Eli