目次
第1章 希望から失望へ
第2章 「分離はしても平等」
第3章 「大移動」の時代
第4章 キング牧師と公民権運動
第5章 政治的権利と経済格差
資料篇―自由と平等への長い道のり
著者等紹介
ンディアイ,パップ[ンディアイ,パップ][Ndiaye,Pap]
歴史家。フランス社会科学高等研究院北米研究センター助教授。アメリカとフランスの黒人の歴史に関する論文を多数執筆
明石紀雄[アカシノリオ]
筑波大学名誉教授。アメリカ建国史、アメリカ人種・民族関係史専攻
遠藤ゆかり[エンドウユカリ]
上智大学文学部フランス文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
1959のコールマン
58
☆5。元々の本が2009年発行なので、アメリカの現状、つまりトランプ大統領以降が書かれていない。また、白人たちの反黒人思想があまり紹介されていないので、それらの部分は他の本で補う必要がある。また説明が大雑把すぎないか?と思う部分もある。以上欠点も多いが、アメリカ黒人の歴史がすっきりわかる良書。最初に読む本としては最適だろう。特徴としては最初にキング牧師が大きく掲載されているので、その立場から見た歴史、と言えよう。個人的にはKKKなどの白人自警団から身を守るために、黒人の自警団があったことが興味深かった。 2020/08/18
ちゃんみー
49
1863年、リンカーンが奴隷解放宣言をした。にも関わらず、その後100年にも渡って奴隷制度や人種差別(人種分離)は続いた。人種分離を正当化したい白人達は何度も奴隷制度を死守しようとした。それに立ち向かう黒人達は必死だった。やはりキング牧師の演説が印象に残る。学校での社会の授業で深く掘り下げている時間はないのだろうが、子供の頃からもっと興味をもって、これらの動きに目を向けてみたかった。2015/09/28
テツ
33
教科書に載っている誰でも知っているリンカーンによる奴隷解放宣言。でもその後にだってアメリカに暮らす黒人達は自由と平和なんて貰えやしなかった。マルコムX。キング牧師。その他にも名前の残らない数え切れないほどの黒人達が自由を手にするために文字通り自分の生涯を費やした。現代日本に生きていたらなかなか意識しない自由の価値。わずか数十年前には(そしてきっと現在でも)自由を手にするために命を賭けて戦った人がいた。忘れちゃいけない。自由と平和はあたりまえに享受できる代物ではない。2018/08/28
すえ
24
アメリカ黒人に焦点を当て、政治、社会、文化の面から米国の歴史を概観出来る好著。16世紀にスペインがアフリカ大陸から黒人奴隷を連れてきて、アメリカでタバコや綿花のプランテーションが始まり、大農場主は安価な労働力で多大な利益を上げ、経済発展に寄与することになった。一方で、アフリカ系アメリカン(アメリカ黒人)は家畜以下の扱いで差別され、虐げられた。ここにアメリカ黒人の悲劇の発端が存在するように思う。その後、南北戦争を経て400万人の黒人奴隷が解放されたが、南部諸州を中心に人種差別は残り続けた。2020/11/11
john
6
奴隷として扱われていた人達が、少しずつ人間としての権利を手に入れていくが、まだまだ道は遠い。 気が遠くなるほど遠いが、初めて黒人の大統領が誕生した。と思ったのも束の間、アメリカ国民はあの愚かな人を大統領に選んでしまった。信じられないほど無知で、オバマ氏に反対することしか考えてない。 黒人の歴史、またアメリカ先住民に関する本を読む度に、アメリカ人は自分達の国の歴史についてどんな風に考えているのかをもっと知りたくなる。 2019/07/10