出版社内容情報
「金閣寺」執筆前後、結婚前の三島由紀夫の愛を一身に受けた一人の女性。長い沈黙を破り若き恋愛の日々のすべてを著者に打ち明ける。2016年11月25日、三島由紀夫割腹から46年を迎える。
「ええ、公威(こうい)さんの眼の美しさだけは、今も忘れられません」――
「金閣寺」執筆前後、結婚前の三島由紀夫の愛を一身に受けた女性は、三島の本名・平岡公威(きみたけ)から、恋人のことを「こういさん」と呼んだ。
青春のかけがえのない時期を共に生き、しかしその後半世紀以上、思い出を固く封印してきた女性が、岩下尚史氏にはじめて恋の顛末を語った。昭和三十年前後の東京の風景とともに、読者もこの恋の行方に引き込まれる。
さらに岩下氏は二人の愛を見守った、「鏡子の家」の女主人のモデルとなった女性の証言も得て、二人の女性の歴史的証言から、新たな三島由紀夫像が感動とともに浮かび上がる。
〈ヒタメン〉とは〈直面〉と書き、能楽の舞台で、面を着けずに舞うことを指す。
若き日、恋人だけに見せた、誰も知らない三島由紀夫のもうひとつの顔を御覧ください。
著者の岩下氏は最近とみにメディア露出多く、東京MXテレビ「5時に夢中!」火曜日でのコメンテーターぶりは濃厚なキャラクターで大人気。
単行本刊行時に話題騒然となった傑作ノンフィクションを文庫化!
解説・中江有里
岩下 尚史[イワシタ ヒサフミ]
内容説明
多くの假面を纏い、読者の前で華麗に舞い、駆け抜けた三島由紀夫。その若き日には、一人の女性との知られざる恋愛の季節があった。『金閣寺』執筆前後の作家の全盛期を共に生き、しかし思い出を固く封印した女性が、半世紀を経て初めて恋の顛末を著者だけに語った。従来の三島像を一新する歴史的証言を文庫化。
目次
1章 「運命愛」の發端―歌舞伎座樂屋・昭和二十九年七月
2章 女たちの時刻、午後の匂い―『沈める瀧』の頃
3章 贅澤な彼女―梨園と花街とに室咲きの
4章 喰わずぎらいの矯し方―『女神』の頃
5章 東京の恋人たち―『幸福号出帆』の頃
6章 書けて、書けて、仕方がないんだ―『永すぎた春』、『美徳のよろめき』、そして『金閣寺』の頃
7章 水槽の熱帯魚―『施餓鬼舟』、『橋づくし』、『女方』、『鹿鳴館』の頃
8章 浅くはひとを思ふものかは―『魔法瓶』に反射するもの
9章 おそらく最後の証言者―『鏡子の家』の女主人
著者等紹介
岩下尚史[イワシタヒサフミ]
昭和36年生まれ。國學院大學文学部卒業後、新橋演舞場に入社、企画室長として、「東をどり」の制作に携わる。幕末から平成にいたる新橋花柳界の調査研究を進め、社史『新橋と演舞場の七十年』を編纂。退社後、芸者の発生と変遷を古代の巫女にまで遡る斬新な解釈で解き明かした『芸者論―神々に扮することを忘れた日本人』を著し、第20回和辻哲郎文化賞を受賞。現在、國學院大學客員教授。テレビのコメンテーターとしても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ふ
Chihoish
小倉あずき