出版社内容情報
【解説】
中世以来ヨーロッパ社会は「芸術としての美食」を追求してきた。美食史の裏にある社会・政治の深層構造を,料理文化から解き明かす一冊。著者は美食史の権威。
内容説明
本書は、美食文化の歴史を、新鮮で豊富な香辛料や新食材の流入、料理書の普及、イタリアの範をうけつぐフランスの範、調理設備の充実と給士長の役割の高度化、食卓の厳密な秩序、ブルジョワの家庭料理などをめぐって説き、バターの勝理やフォークの普及などの興味深いエピソードも織り混ぜつつ語っていく。
目次
第1章 中世ヨーロッパの美食
第2章 ある芸術の誕生
第3章 フランスの範
第4章 フランス料理の黄金の世紀
第5章 料理の惑星
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
timeturner
5
記述が断片的なうえに読みにくい翻訳で読み物としては楽しめないし、とりとめがないので辞典のように使うこともできない。多数の図版をレイアウトでお洒落に見せるタイプの本だが、紙が厚くて開きにくいのにノドぎりぎりまで印刷されているのは問題。最大の不満は美麗なカラー写真の説明にこちらが知りたいことが何ひとつ書かれていないこと。わが家の本棚にあったのに読んだ記憶が全くなかった理由がわかった。2018/09/25
aof
2
昔、食べ物と身体は近いところにあったんだなぁというところが面白い。 あとフランスすげー!みたいな礼讃の溢れる文章が、ザ・フランスって感じで良かった。 読みにくい構成だけどなんやかんや読んでしまう。 教科書の世界史じゃなくて、こういう歴史なら勉強もおもしろかったのになぁ。2019/03/02
あかふく
2
ページフェイスが若干読みづらいですが、読みづらいところが結構おもしろかったりするので読み飛ばせません。とりあえずの流れは抑えられると思うので、もっと詳しくは参考文献に挙げられているものを読めばよいのではないでしょうか。未訳文献の紹介もしてほしかったけれど……。2012/06/22
せんや
1
フランス料理の話になると、どうしてフランス礼讚になるのだろうか…。美食といえばフランスしかないという著者の意気込みが暴走している。2013/04/24
ユーディット
1
中世の内は面白かったけれど、近世近くなると内容が繰り返しで興味が薄れました。後、このシリーズは仕方ないけれど、フランスの話ばかりでもっと世界的に比較研究されると全体像が掴みやすい。料理の具体的な記述がもっと欲しい気がする。そうでないと時代や空間での違いを具体的に把握するのが難しい。2012/04/01