出版社内容情報
【解説】
16世紀頃から本格的に始まった奴隷売買の歴史を遡り,アフリカ黒人の悲劇の歴史を再現。欧米諸国の繁栄の陰に隠されてきた恥辱の歴史を,生々しく現代に甦らせる。
目次
第1章 奴隷商人の出現
第2章 大規模な黒人売買の開始
第3章 アフリカへの道
第4章 恐ろしい航海
第5章 プランテーションでの苛酷な労働
第6章 自由を求めて
第7章 勝利後の苦悩
資料篇(黒人革命の成果;恐るべき証言と告白;文学に表れた奴隷像;黒人法の制定;奴隷制度の廃止;最後の奴隷商人;アメリカ合衆国における「人種問題」;「黒人」についての神話と嘘;映画に見る黒人像;ジャズ―悲劇の歴史が生んだ黒人の音楽)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花林糖
17
(図書館本)資料編『自由への長い道のり』がとても生々しい。1980年にモーリタニア回教共和国で最後の奴隷制度が廃止されたけれど、現在もなお奴隷制は存続し、世界で5000万人以上とも言われている。2016/08/03
魚京童!
15
私は奴隷でも、情熱の奴隷でありたい。2014/07/19
くろまによん
8
近代における奴隷制の歴史を学べる本。僕の中に欠落していた視点を発見できたことが収穫だった。奴隷制度というと、ひどい白人が黒人狩りをして無理やり連れてきた――というイメージを持っていた。しかし、黒人の奴隷商人が仕入れ、王が承認し、初めて奴隷貿易ができたのだ。アフリカに奴隷という商品概念は存在していたし、それを白人が輸入したという構図になる。2014/03/08
isao_key
6
奴隷制の誕生から現在に至るまでを絵や写真で説明した本。奴隷制度の初期にはヨーロッパ人もいたが、次第にアフリカの黒人が強制的に船で運ばれるようになる。奴隷は奴隷商人にとっては「商品」であり、買い手にとっては「色のついた家畜」であった。アメリカとイギリスで奴隷売買が廃止されたのが1808年だという。1815年にウィーン条約の中で国際的禁止に関する原則が明記された。しかしサウジアラビアで1963年、モーリタニア回教共和国では1980年になってようやく廃止された。世界には未だに5000万人の奴隷がいるという。2012/09/29
テツ
5
奴隷制度の成り立ちとそれを商品とした商売が発展する様子が良く解る。図解も多く読んでいるだけで学べて良い。先進諸国での奴隷売買は禁止されているけれど世界にはまだ五千万人以上の奴隷が存在する。歴史を、そして仕組みを知ることが撲滅への第一歩。2013/12/26
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- 和書
- 作家と家元 中公文庫