出版社内容情報
【解説】
1492年,コロンブスはアメリカに到達。自然と一体になった独自の文化を築き上げていたアメリカ・インディアンは,急速に衰退へと向かう。エコロジカルな文明と悲劇の歴史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
173
アメリカ・インディアンがいかに同化政策によってその土地を奪われていったかを書いてあります。子供の頃は騎兵隊の映画華やかしころで私も他の人にもれず悪人=インディアンということでしたが、「ダンス・ウイズ・ウルブス」でイメージチェンジになりました。この本がきちんとそこら辺を分析していて役に立ちました。日本でも同じようなことが北海道ではあったのですがあまり知られてはいないのではないかと思われます。2017/04/02
やいっち
77
コロンブスを先兵とする南北アメリカ大陸の悲惨と栄光(?)の歴史関連は我が読書のテーマの一つ。文献を一つ読むたび暗澹たる思いになる。白人の所謂 民主主義が何を実態とするのか。アメリカは先住民を殲滅同然に追い込むことで北米の大半を更地にし連邦国家を作り上げた。同じことをイスラエルの建国で繰り返した。アメリカには気に食わない国の政権を顛覆してきた歴史がある。体質なのだろう。日本は戦後、アメリカに隷属する道を選んだ。政治的に更地にされた。アメリカと中国(などアジア)との戦いが始まっている。この戦いに妥協はない。2021/06/23
yoneyama
4
翻訳なので読み辛い面もあるけれど美しい図版が豊富で、巻頭の6人の肖像画には圧倒された。シッティイング・ブル、ジェロニモ、カスター、シャーマン、などの肖像写真もあり。部族分布図も解りやすく、居留地一覧地図もじっと眺める。1960年代以降の回復運動や、映画の中の扱われ方にもページを割いている。コンパクトでもあり、絵と図の充実で良い本。1992年の本。2020/08/22
印度 洋一郎
4
現在のアメリカ合衆国に居住していたアメリカ・インディアンの、ヨーロッパ人との接触から現在までの悲劇の歴史を、フルカラーの図版や文献資料の再録で紹介。免疫の無かった伝染病に晒され、銃と鉄と産業の力で民族浄化されてしまって悲惨の一言に尽きる。フランスと組んでイギリスと戦って敗北し、イギリス系植民者達が合衆国を建国した後から、ジェノサイドが加速しているのが印象的だ。ネイティブ達に一丸となってヨーロッパ人に対抗する意識が無かったのも敗因だろう。彼らには何の咎も無いが、力が無いとこういう目に遭うのが歴史の教訓か。2013/05/29
kanaoka 57
2
少し古い本ですが、ネイティブアメリカンの歴史が良く分かかる。 圧倒的な技術、知識、組織力で雪崩れ込んでくる西洋人たち、そして、疫病、略奪、文化破壊、生計基礎の喪失により、個体数の大幅な減少と文化の変容と消滅が進んでいく。 歴史的事実の何らかのIFがあったとしても、この大きな奔流の基本的な方向を変えることは困難であっただろう。悲しい歴史の必然と言われればばそうかもしれない。2024/01/27