出版社内容情報
【内容紹介】
天使とは何か。これほどよく語られながら実態の不明な存在もめずらしい。本書は最も幅広く、最も詳細に天使を集大成した空前絶後の書である。聖書はもちろん、キリスト教外典や偽書、ユダヤ教、グノーシス主義や神秘主義、イスラム教、ゾロアスター教、ヒンドゥー教、ギリシア神話、キリスト教以前の天使伝承、フィクションなど、おびただしい古典を渉猟した、項目数4100という驚異の辞典である。
内容説明
堕天使を含めて天文学的数字にのぼる天使たちの、ほんの一部ですが―およそ4000項目で御紹介する空前絶後の天使録。
著者等紹介
デイヴィッドスン,グスタフ[デイヴィッドスン,グスタフ][Davidson,Gustav]
劇作家、伝記作家、詩人、そして天使学著述家・編者。アメリカ合衆国国会図書館書誌学研究者、英国ロクストン・カレッジ・フェロウ。ディ・カスタニョーラ賞をはじめ種々の賞を受賞した。1971年没
吉永進一[ヨシナガシンイチ]
1957年生。京都大学文学部大学院(宗教学専攻)修了。専門、宗教学、ウィリアム・ジェイムズ、近代霊性思想史。現職、舞鶴工業高等専門学校講師
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感想・レビュー
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だいだい(橙)
17
図書館本。よくもこれだけいもしない「天使」についてまとめたものだ。日本で同種の辞典があるとすれば「妖怪辞典」みたいなものだろうか。神の使いというが、実際には聖書にその名前が書いてあるものはわずか。外伝や魔術書のたぐいで伝承されてきた。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ゾロアスター教に天使信仰がある。カバラはタロットと結びつく神秘主義。タロットカードの中にも天使は現れる。日本の建国神話の中に出てくる八百万の神がキリスト教圏では「天使」に当たる感じ?天使に細かな階級があると言う話も人間っぽく、笑える。2023/10/28
マウリツィウス
13
【天使記号論イントロ】新約聖書界にて名を馳せる「天使」、記号表象化がその典型と呼べる。すなわち旧約聖書とは「御使い」つまりセラフィムを配置することで不完全性を意味しないことから「十二」数字を初めとして誤解釈の余地は存在しないだろう。天使とは「普遍人類史」つまりラヴジョイ定義なのだが、スコラを経由することで一旦異端化の末路を辿る。新約聖書の異文書問題が深く関わってきており、黙示録批判及び外典福音書出典言及が数限りなく表出する問題、そして天使とミルトンの共鳴性は実際はエノク書的であり文学的相互影響を意味する。2013/06/05
マウリツィウス
11
【The:Angel:Dictionary】『天使の記号論化』-グノーシス派のキリスト教主題をも乗り越えた「天使像」、本来は異教利用されるものではなく「探求」を意味-つまり『エノク書』を初めとした記録群集合を本質否定している。「古典主義システム」を天使権威は否定するべく本来「表象配置」されており、『ダニエル書』『エゼキエル預言』にそれは託される。古代ユダヤ教神秘主義すら追放し得る布石と成り得るがキリスト教異端への介入を遮断する神学説をヨアヒム以降も継続される。グノーシス主義の邪悪を貫く「天使」は反駁の鍵。2013/10/22
彬
2
キリスト教なので天使といっても一般的に『悪魔』と表現されることも多い『堕天使』についても触れられているので、その辺の関わりに興味がある人にはもってこいのものではないでしょうか。巻末にある天使に関連した知識や呪文などは別の意味で楽しめました。2010/03/13
マイキー@春よ来い
0
納得が出来るお話に、私のめちゃくちゃだったオカルト知識が改善された。吉永進一さんがお薦めしていた参考書も気になる!これからも、お宝の一冊として大事にします(^▽^)2013/04/30