ETHレクチャー<br> 近代心理学の歴史

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ETHレクチャー
近代心理学の歴史

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  • サイズ A5判/ページ数 360p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784422117331
  • NDC分類 140.2
  • Cコード C3311

出版社内容情報

本書が示すユング心理学の新たな五つの本質

〈1〉一般聴衆に向けたユングの語り
大講義室で600人もの聴衆を前に語られたレクチャー・シリーズ! 「分かりやすいユング心理学」がいまここに明らかになる。ユングの著作は、難解な言葉使いと専門用語に溢れ、読者には“難しい”と感じられることが多かった。しかし、本書で心理学を語るユングは、専門家ではない人たちにも分かるように、情緒豊かに言葉を紡いでいく。本書は、ユングの〈語り部〉としての資質がいかんなく発揮されたシリーズの第1巻。

〈2〉ユングの考える心理学の歴史
慣習的な考えから脱し世界への信仰が揺らぐとき、心理学は始まる。それまで象徴的に信じられてきたものから自分を解放していく運動は、ルネッサンス期に花開き、啓蒙思想と結びつき17世紀に大きく展開していく。ライプニッツやカントなどの哲学者から、フェヒナーやウィリアム・ジェームズといった心理学者まで、世界の思想史に現れる心理学をユングが丁寧に語り継ぎ、新たな時代に向かう心理学の道を示す。

〈3〉伝統的な心理学の歴史を生きる
ユングは、心理学の歴史の中に生きているのであり、精神分析の歴史の中にいるのではない。ユングは、長いあいだフロイトに始まる精神分析の中に位置づけられてきたが、実は、ウィリアム・ジェームズやテオドール・フルールノワといった伝統的な心理学者、そしてオイゲン・ブロイラーやピエール・ジャネといった精神医学領域の心理学者から大きな影響を受けている生粋の心理学者なのである。〈心の科学〉としてのユング心理学の新たな形がここに見えてくる。

〈4〉新しいタイプ論の図示
ユングが世界の学術界で最も大きな評価を獲得したのは、おそらくその著書『タイプ論』においてである。本書には、いままで公開されてこなかった新しいユングのタイプ論が自作の図で示されており、それは分かりやすさの点では『タイプ論』への導入であり、意識の移行図としては『タイプ論』の新たな展開である。意識のあり方が詳細に分類示され、外へ内へと意識が移り変わっていく様が、歴史上の人物を題材として示される。

〈5〉オカルト的ユングの真相
多くの読者が最も関心を抱いているのは、ユング心理学のオカルト的な側面かもしれない。本書では、霊媒現象やオカルト現象を扱った書籍、J・ケルナーの『プロボウスとの女予見者』とT・フルールノワの『インドから火星へ』が詳細に分析されている。一見すると、疑わしく了解不可能に感じられる現象に対して、ユングはどのように関わったのか?そこにはきっと、きわめて臨床的なユングの真相が見えてくることだろう。(本書には、この二冊の詳細な読書案内が掲載されている。)

内容説明

「分かりやすい」ユング心理学。世界の思想史に現れた心理学から、次の時代への新しい心理学を語り継ぐ。“心の科学”としてのユング心理学の新たな形を示す。これまで語られなかった新しい「タイプ論」が、ユング自作の図と共に初めて示される。霊媒現象やオカルト現象へのユングの理解や関わりが詳らかに。

著者等紹介

ユング,カール・グスタフ[ユング,カールグスタフ] [Jung,Carl Gustav]
1875~1961。スイス生まれる精神科医。S・フロイトと並ぶ深層心理学の開拓者。ユング自身はみずからの体系を分析心理学と称し、集合的無意識、元型といった概念を提唱して、単なる一個人の枠にとどまらない壮大な心の見取り図を示した。約20冊におよぶ『著作集』(日本教文社)の他に、長らく門外不出の扱いだった『赤の書』(創元社)も公刊され、世界に衝撃を与えた

ファルツェーダー,エルンスト[ファルツェーダー,エルンスト] [Falzeder,Ernst]
ロンドン大学(UCL)主任研究員。ジュネーブ大学、コーネル大学医学部、ハーバード大学の研究員を経て現職。主として精神分析と分析心理学の歴史・理論・技法に関する調査研究に従事している

河合俊雄[カワイトシオ]
1957年生まれ。京都大学こころの未来研究センター教授、センター長。京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。ユング派分析家、臨床心理士、公認心理師

猪股剛[イノマタツヨシ]
1969年生まれ。帝塚山学院大学准教授。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。ユング派分析家、臨床心理士、公認心理師

小木曽由佳[オギソユカ]
1983年生まれ。同志社大学ウェルビーイング研究センター研究員。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。臨床心理士、公認心理師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

5
20年ぶりに教壇に立つ著者は、心理学を近代の転換点から辿る。近代以前は宗教が心の問題に答え、その解釈は抽象化された神の領域を具象化する象徴言語が担い、その正統性は神の教義を代理する教会が保持していた。この体制が崩れる近代は、言葉を世俗化し意味に対応する記号として扱う一方、記号と意味には把握不能な何かを無意識と呼ぶ心理学をスタートさせる。その中で、著者は記号を扱う連想実験に従いつつ、象徴をモデルに心をシステム化する。神の教義から解放された領域は人類に普遍的な集合的無意識となり、その表現パターンは元型となる。2021/05/22

hitbari

3
読みました。難しい。というのが感想です。2021/01/27

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