出版社内容情報
オリジナル版『赤の書』のテキスト部分のみを一冊に。ユングの最重要テキストにじっくり向き合いたい読者にとって必須の携帯版。
原寸大の美しく精密な複写が収録された『赤の書』原版が公刊されて5年。以来、より詳細な研究のために、持ち運びに適したテキスト版の刊行を求める声が高まっていた。本書はそうした要望に応え、手頃な大きさと価格で『赤の書』を提供しようとするものである。原版のテキスト、序論、注釈はそのままに、より読書に適した形に本文レイアウトを変更し、携帯可能なサイズにまとめた。ユング理解に欠かせない最重要テキストにじっくり向き合いたい読者にとって必須の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
13
大型本をテキストと図版に分冊し、ポータブルにしたテキスト版が本書である。大型本読後に開くと、文字を意味に対応する普段の読みは、別の冊に分けられた図像を示し始め、文字が表す意味次元が解釈のバーションの一つでしかなくなり、背後の構造をトレースする象徴解釈へと変容して行く。英雄ジークフリート殺害の夢が自我から自己への退行を促し、アニマ/アニムスの元型に出会い、様々な円形のイメージの横溢する試行錯誤を経て、自我の神であるヤーヴェの背後の隠された神を語り始める。その深部への探求は、著者の思考の構造変動を垣間見せる。2021/06/02
兵士O
11
僕がユングが好きな理由は、客観的な事実で他人事のように自分の理論を構築しているのではなく、あくまで自分の個人的な体験を自分の学問の基礎にしている所です。そして、その体験のネタ帳が「赤の書」であるわけで、その物語性、ビジュアルに僕は圧倒されました。これを発表したら、世間から異端者として告発されるわよ、と言われたり、患者に君たちも赤の書のようなモノを書きたまえ、と言い、装丁の整ったノートを準備させたり、ユング先生の生の声を感じる本でした。でも、序論で僕はお腹いっぱいです。ユング先生の本論は底知れぬ闇鍋ですよ。2020/03/01
へんかんへん
9
赤いみたいな単純な理由で借りた2017/06/06
記憶喪失した男
7
ユングの秘蔵本として、没後一年後(1962年)に非公開出版されていたもの。2009年に遺族が公開を決定して、ドイツ語版と英語版が出版された。2010年に日本語版が出版された。文章がよく練られている。ニューエイジやスピリチュアルに大きな影響を与えた書。この本が書かれた狙いは、誰もが驚くべきものであろう。2022/01/04
アルクシ・ガイ
4
図書館本。ポツポツと拾い読み。2018/10/17