内容説明
善と正の違いは何か。権利と義務の関係とは――。本書は、倫理学の基礎からはじめて、法、政治、経済、宗教と倫理を関連づけながらその意義を再考する。アリストテレスやカントらによる5つの主要理論を平易に概説。さらに、グローバル経済、戦争、移民、安楽死、環境破壊、人工知能など現代社会の直面する難題について倫理学の観点から考察する。社会契約論や功利主義にかんする10の図解と26名の思想家のコラム付き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナクマ
36
5章1節−環境倫理。環境と自然の区別(中心の有無)。なぜ、生き物や無生物にすらも倫理的に配慮すべきなのか(そういった問いが生じるのか)。→ その苦しみに対する責任。丸ごと維持の責務。ヒトにとっての徳。…責任とはなんなのだろう、不思議だ。◉本書が「大学の教養教育」水準なのかはわからないけれど、倫理というややこしい概念の複数の枠組みを、まるっと押さえるにはいいかも知れない。「倫理・法・政治・経済は絡み合っている」ということで、本書からその一角を切り崩してみたい。→2020/11/19
サケ太
21
倫理学とは、何か。高校の授業で倫理を受けたが、どちらかといえば歴史的な哲学者や彼らの言葉を覚える授業だったように思う。なので、今回の書籍はある意味で本当の倫理学、哲学やその考えを生かすその先を見れたように思う。法、政治、経済、宗教、そして医療、その先の未来についても守られるべき倫理について語られる。かつての、そして現代の思想家(哲学者)たちについても大まかに知ることが出来たのは収穫。倫理は、時代に応じて変化してきた。疑問として、国によっても倫理観、もしくは思想というものは差が生じるのではないかと思った。2020/09/01
venturingbeyond
18
とにかく盛りだくさんな倫理学入門書。「倫理」の定義。代表的な倫理学理論の概説、社会科学の規範理論としての倫理学、生命倫理、環境倫理、工学倫理、倫理的審級と倫理的思考・判断の淵源についての考察、と扱ってあるテーマを眺めただけで、一つひとつで新書1冊に値する。規範理論に目端が利く人には俯瞰図を再確認する一冊であるが、果たして初学者に適切な入門書となっているかと言われれば、少々疑問も...。巻末の参考文献リストも、もう少し充実したものにしてもらえれば、ありがたかったかな。2020/12/27
ネムル
16
前半の倫理学の諸概念については、社会契約論→義務論→功利主義→共感理論→徳倫理学の配列がわかりやすく、要所要所の語の難しさを除けば内容を掴みやすい。ハンス・ヨナスと未来倫理学についての言及も面白い。ただし、後半の応用倫理学については、倫理学の諸概念からの応答があまり噛み合っていないように感じた。2021/04/25
H2A
15
倫理学を全体から見渡した第1章が手際よく倫理学の性質をまとめ、法とか政治、経済との不可分な関係について述べる。応用倫理に踏み込む後半は広範な範囲をいくつかピックアップした体で、もちろん副題のようにアリストテレスからAIまでカバーできるはずもない。次はプラグマティズムとか功利主義の本を読もうかと。この本もおもしろい。2022/11/08
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