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エピソード教育臨床―生きづらさを描く質的研究

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  • サイズ B6判/ページ数 172p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784422115757
  • NDC分類 371.4
  • Cコード C1011

出版社内容情報

「苦しみ」を生き抜く姿から、心のひだを映しだす「質的研究」事例集。心的支援・対人援助に欠かせない「生きづらさ」の人間学。

誰も肩がわりできない、その人だけの「苦しみ」を生き抜く姿を等身大で描き、一人ひとりの「固有の思い」に即して心のひだを映す、「質的研究」事例集。臨床現象学から当事者研究まで、エピソード記述からインタビューまで、多様な側面から「語り」の地平を拓く。教育・保育現場のみならず心的支援・対人援助にかかわる営みには欠かせない、生きづらさの人間学。

もくじ



  プロローグ


第一章 臨床現象学から描く生きづらさ ?T                       遠藤 野ゆり
   第一節 低学力でつながれない
   第二節 パン屋さんになりたい
   第三節 思春期の非行

第二章 幼児期の子どもの姿から読みとく生きづらさ                 川?ア 徳子
   第一節 友だちにも思いがあるということに気づいていく
   第二節 なんでもない時間を友だちと過ごせるようになること
   第三節 友だちという関係のなかにある微妙な課題

第三章 臨床現象学から描く生きづらさ ?U                     大塚  類
   第一節 鼻クソの味
   第二節 オレばっかり悪者
   第三節 空想をともに生きる
   第四節 現実ではつながれない

第四章 心理臨床場面から描かれる生きづらさ                   大石 英史
   第一節 教室に入れない
   第二節 母親支援者としての私
   第三節 お金をもらって働くということ

第五章 ナラティヴから読みとく生きづらさ                    遠藤 野ゆり
   第一節 優等生の生きづらさ
   第二節 過保護に育てられる生きづらさ

第六章 当事者が語る生きづらさ                磯崎 祐介  
   第一節 基 準
   第二節 こだわり
   第三節 知 覚
   



  エピローグ

【著者紹介】
1979年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。日本学術振興会特別研究員PD(宮城教育大学)を経て、2012年より青山学院大学教育人間科学部准教授。主著『施設で暮らす子どもたちの成長――他者と共に生きることへの現象学的なまなざし』〔東京大学出版会, 2009年〕、『家族と暮らせない子どもたち――児童福祉施設からの再出発』〔共著, 新曜社, 2011年〕。

内容説明

エピソードの奥に秘められた“物語”をつまびらかにする。さまざまな場面での“生きづらさ”を映しだす事例集。

目次

第1章 臨床現象学から描く生きづらさ1(低学力でつながれない―高橋さん・小学五年生;パン屋さんになりたい―篤君・十一歳;思春期の非行―晃君・十六歳)
第2章 幼児期の子どもの姿から読みとく生きづらさ(友だちにも思いがあるということに気づいていく―三歳児;なんでもない時間を友だちと過ごせるようになること―四歳児;友だちという関係のなかにある微妙な課題―五歳児)
第3章 臨床現象学から描く生きづらさ2(鼻クソの味―進君・小学三年生;オレばっかり悪者―壮君・小学三年生;空想をともに生きる―隼君・小学三年生;現実ではつながれない―原君・中学一年生)
第4章 心理臨床場面から描かれる生きづらさ(教室に入れない―航・九歳;母親支援者としての私;お金をもらって働くということ―辰巳さん・四十歳代)
第5章 ナラティヴから読みとく生きづらさ(優等生の生きづらさ―桜井さん・二十二歳;過保護に育てられる生きづらさ―森さん・二十三歳)
第6章 当事者が語る生きづらさ(基準;こだわり;知覚)

著者等紹介

大塚類[オオツカルイ]
1979年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。日本学術振興会特別研究員PD(宮城教育大学)を経て、2012年より青山学院大学教育人間科学部准教授

遠藤野ゆり[エンドウノユリ]
1978年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。山口大学教育学部講師、法政大学キャリアデザイン学部講師を経て、2013年より同准教授

大石英史[オオイシエイジ]
1960年生まれ。九州大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。下関市立大学講師、助教授を経て、1994年より山口大学教育学部助教授、2007年より同教授

川崎徳子[カワサキトクコ]
1967年生まれ。山口大学大学院教育学研究科修士課程修了。修士(教育学)。山口県宇部市立恩田小学校教員、山口大学教育学部附属幼稚園教員を経て、2009年より山口大学教育学部講師、2013年より同准教授

磯崎祐介[イソザキユウスケ]
1979年生まれ。青山学院大学大学院教育人間科学研究科教育学専攻博士前期課程修了。修士(教育学)。2012年より青山学院大学大学院教育人間科学研究科教育学専攻博士後期課程在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フム

18
このところ自分自身が置かれている状況に困難を感じていた。そんな時目に入ってきた言葉が「生きづらさを抱える」だ。タイトルのエピソード、臨床、質的研究というワードから、同じように生きづらさを抱えている人のエピソードに何か救われたいという思いで手に取ったのだと思う。生きづらさというのは、特別な人だけのものではないのかもしれない。多くの人が名づけることもできないような生きづらさを抱えて暮らしている。それは第三者には理解されにくいものだ。本書は「こうしたかけがえのないその人固有の生きづらさに、光をあてたい」とある。2019/08/31

あいくん

2
☆☆☆☆かけがえのないその人固有の「生きづらさ」に焦点をあてています。量的研究では、客観的な数値とその分析によって社会一般の現象をとらえようとします。質的研究では、まとめることでこぼれ落ちてしまうできごとのひとつひとつを読みとこうとします。具体的な事例がたくさん並べられています。著者の遠藤野ゆりさんは、最期にサルトルの言葉を引用します。 「書くとは、世界を発見するとともに、それを読者の高邁な心が果たすべき仕事としてさしだすことです」2014/08/16

maaaa

1
量的調査だけでは気づけない、個々の生きづらさについて焦点を当てている本でした。そのため、書かれている生きづらさは必ずしも共感できるものばかりではありませんでした。しかし、物事の捉え方の多様性や可能性の引き出しを増やすには良かったなと思っています。そのような考え方をしている人がいる、ということを知るだけでも今後仕事やプライベートで人と関わるにあたって大切なのかなと感じました。2016/03/04

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