出版社内容情報
「苦しみ」を生き抜く姿から、心のひだを映しだす「質的研究」事例集。心的支援・対人援助に欠かせない「生きづらさ」の人間学。
誰も肩がわりできない、その人だけの「苦しみ」を生き抜く姿を等身大で描き、一人ひとりの「固有の思い」に即して心のひだを映す、「質的研究」事例集。臨床現象学から当事者研究まで、エピソード記述からインタビューまで、多様な側面から「語り」の地平を拓く。教育・保育現場のみならず心的支援・対人援助にかかわる営みには欠かせない、生きづらさの人間学。
もくじ
プロローグ
第一章 臨床現象学から描く生きづらさ ?T 遠藤 野ゆり
第一節 低学力でつながれない
第二節 パン屋さんになりたい
第三節 思春期の非行
第二章 幼児期の子どもの姿から読みとく生きづらさ 川?ア 徳子
第一節 友だちにも思いがあるということに気づいていく
第二節 なんでもない時間を友だちと過ごせるようになること
第三節 友だちという関係のなかにある微妙な課題
第三章 臨床現象学から描く生きづらさ ?U 大塚 類
第一節 鼻クソの味
第二節 オレばっかり悪者
第三節 空想をともに生きる
第四節 現実ではつながれない
第四章 心理臨床場面から描かれる生きづらさ 大石 英史
第一節 教室に入れない
第二節 母親支援者としての私
第三節 お金をもらって働くということ
第五章 ナラティヴから読みとく生きづらさ 遠藤 野ゆり
第一節 優等生の生きづらさ
第二節 過保護に育てられる生きづらさ
第六章 当事者が語る生きづらさ 磯崎 祐介
第一節 基 準
第二節 こだわり
第三節 知 覚
エピローグ
【著者紹介】
1979年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。日本学術振興会特別研究員PD(宮城教育大学)を経て、2012年より青山学院大学教育人間科学部准教授。主著『施設で暮らす子どもたちの成長――他者と共に生きることへの現象学的なまなざし』〔東京大学出版会, 2009年〕、『家族と暮らせない子どもたち――児童福祉施設からの再出発』〔共著, 新曜社, 2011年〕。
内容説明
エピソードの奥に秘められた“物語”をつまびらかにする。さまざまな場面での“生きづらさ”を映しだす事例集。
目次
第1章 臨床現象学から描く生きづらさ1(低学力でつながれない―高橋さん・小学五年生;パン屋さんになりたい―篤君・十一歳;思春期の非行―晃君・十六歳)
第2章 幼児期の子どもの姿から読みとく生きづらさ(友だちにも思いがあるということに気づいていく―三歳児;なんでもない時間を友だちと過ごせるようになること―四歳児;友だちという関係のなかにある微妙な課題―五歳児)
第3章 臨床現象学から描く生きづらさ2(鼻クソの味―進君・小学三年生;オレばっかり悪者―壮君・小学三年生;空想をともに生きる―隼君・小学三年生;現実ではつながれない―原君・中学一年生)
第4章 心理臨床場面から描かれる生きづらさ(教室に入れない―航・九歳;母親支援者としての私;お金をもらって働くということ―辰巳さん・四十歳代)
第5章 ナラティヴから読みとく生きづらさ(優等生の生きづらさ―桜井さん・二十二歳;過保護に育てられる生きづらさ―森さん・二十三歳)
第6章 当事者が語る生きづらさ(基準;こだわり;知覚)
著者等紹介
大塚類[オオツカルイ]
1979年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。日本学術振興会特別研究員PD(宮城教育大学)を経て、2012年より青山学院大学教育人間科学部准教授
遠藤野ゆり[エンドウノユリ]
1978年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。山口大学教育学部講師、法政大学キャリアデザイン学部講師を経て、2013年より同准教授
大石英史[オオイシエイジ]
1960年生まれ。九州大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。下関市立大学講師、助教授を経て、1994年より山口大学教育学部助教授、2007年より同教授
川崎徳子[カワサキトクコ]
1967年生まれ。山口大学大学院教育学研究科修士課程修了。修士(教育学)。山口県宇部市立恩田小学校教員、山口大学教育学部附属幼稚園教員を経て、2009年より山口大学教育学部講師、2013年より同准教授
磯崎祐介[イソザキユウスケ]
1979年生まれ。青山学院大学大学院教育人間科学研究科教育学専攻博士前期課程修了。修士(教育学)。2012年より青山学院大学大学院教育人間科学研究科教育学専攻博士後期課程在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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