ヴィジョン・セミナー

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  • サイズ B5判/ページ数 3冊(別/高さ 22cm
  • 商品コード 9784422115160
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C3011

出版社内容情報

60年間秘密とされたユングのセミナー記録。『赤の書』とも関連し、ユングの思想が深まる過程を知ることのできる貴重な資料。

『ヴィジョン・セミナー』とはユングが1930年代前半、足かけ5年もの期間に行ったセミナーの記録である。後に心理検査法TAT(「主題統覚検査」という有名な心理検査)の産みの親の一人となるクリスティアナ・モーガンのアクティヴ・イマジネーションを素材として行われ、その重要性を認められながらも、『赤の書』と同様に1997年まで60年もの長きにわたり秘されていた。
この時期のユングは、本セミナー中(1932年)に「タントラヨガセミナー」(『クンダリニー・ヨーガの心理学』として講義録が創元社から刊行済み)も行っており、両者には深い関連が見られる。また、本セミナーの内容は『赤の書』の間接的な解説であると見なせる、と『赤の書』序論で言及されているように、ユングが、『赤の書』に至るまでの間、西洋と東洋の思想を結び付けつつ、みずからの思想をどのように体系化し、「分析心理学」を発展させていったのかを窺い知ることのできる、貴重な資料といえる。

1.本の内容
○1930年秋~1934年春(ユング55歳~59歳)に行われたセミナーの講義録
[毎週チューリッヒ心理学クラブで開かれたウィークリーセミナー]
○一人の女性アナリザンド(クリスティアナ・モーガン:後に、有名な心理検査法であるTATの産みの親の一人となる)のアクティヴ・イマジネーションに関する、英語セミナー。

◎このセミナー開催中の1932年に「タントラヨガセミナー」(『クンダリニー・ヨーガの心理学』として、こちらのセミナーの講義録は創元社から刊行済み)も行っており、内容にも深い関連が見られる。

2.出版されることの意義/専門家にどれだけ待望されていた本なのか
○なぜ今か?――1997年まで約60年間もの間、《門外不出》とされた記録
 ・『赤の書』と同様、本セミナーの内容は諸事情で公開を長らく禁じられた。
(関係者の存命中の公開を控えたこと、アクティヴ・イマジネーションの詳しい説明が省かれており、読者側にそれについての知識、および臨床経験にもとづく知識が相当無いと誤解が生じやすいと懸念されたためと思われる。)

○足かけ5年にも及ぶ非常に長いセミナー
・1913年のフロイトと決別後、ユングは大変な精神的混乱に陥った。その混乱を克服していく過程で考え出されたのが本書で用いられているアクティヴ・イマジネーションの技法である。
・危機的状況から約20年が経過した後のセミナーでも、これだけ長く時間をかけて扱っていることからも、ユングが「アクティヴ・イマジネーション」を非常に重視視しており、また熱心であったことが窺われる。

○セミナーが行われたこの時期の重要性
・ユングにとってセミナー開催直前である1930年は、ヴィルヘルムと共著で『黄金の華の秘密』を刊行するなど、西洋神話と東洋のヨガや曼荼羅の思想を関連づけ、学問の幅が大きく拡がっていった頃であり、みずからの思想を体系化するのに非常に重要な時期であったと考えられている。

◆Amazon.comの『ヴィジョン・セミナー』紹介文より:
「彼女(モーガン)の旅を詳しく述べるなかで、ユングは西洋神話と東洋のヨガの元型の類似に関する混乱を解明し、自らの学問の幅と専門知識を広げていったのです」

◆『赤の書』より:
 1930年代、彼はクリスティアーナ・モルガンのファンタジー・ヴィジョンに関する一連のセミナーをチューリッヒの心理学クラブで開始している。これは一部には、『新たなる書』への間接的な解説であると見なすことができる。『新たなる書』において彼が導き出した考えの経験的な妥当性を論証するためには、彼はその内部に描かれているプロセスが特異なものではないことを説明する必要があった。
 1932年のクンダリニー・ヨガのセミナーを端緒に、ユングは、イグナチウス・デ・ロヨラの霊操、パタンジャリのヨガ・スートラ、仏教徒の瞑想修行、そして中世の錬金術に焦点を当てて、秘儀的な実践についての比較研究を始めている。彼はこれをスイス連邦工科大学での長期にわたる連続講義の中で発表した。

◆『ユング自伝――フィクションと真相』より:
……多くの憶測を呼んでいる一つの症例は、クリスチアナ・モルガン(Christiana Morgan)の症例である。一九三〇年代にユングは心理学クラブにおいて、彼女のヴィジョンに関する一連のセミナーをおこなった。このセミナーの最初に、彼は次のように自らの意図を述べている。
 この講義では、夢とヴィジョンからいかに超越機能が発展していくのか、そして、最終的には個人の統合に貢献するそれらのイメージが実際にいかなるものを象徴するのかについて、すなわち、さまざまな対立物のペアの合一と個性化の全過程について論じる……

このように『ヴィジョン・セミナー』は、ユングの思想が体系化されていく最も重要な時期に書かれたものの一つであり、ユングが何を考え、どのように「分析心理学」を発展させていったのかをうかがい知ることのできる、貴重な資料である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

8
1930-1934の5年に渡るセミナーを収めた本書は、絵や写真を元にしたアクティブ・イマジネーションの手法で、無意識との対話を試みた89回の記録である。後にこの手法を普及させる被験者クリスティアナ・モーガンの元型であるアニムスの奔放な動きに連れて西洋の神話、占星術、東洋のヨーガ、曼荼羅へと横断する著者の語りは、無意識の力に翻弄されるこの手法の予測不能性や分析の不安定感を伝える。この手法から、著者は心が意識と無意識から成るシステムであり、夢でなく覚醒意識下でも想像によって無意識と対話できると確信したという。2021/06/08

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