出版社内容情報
日本文化の特徴や意味について語った千住博氏のシンポジウム記録、ユング派心理療法の可能性に迫った河合俊雄氏の講演録を掲載。
日本画家の千住博氏が日本文化の特徴や芸術作品に込められた意味などを説き明かしたシンポジウム記録を巻頭に収録。浮世絵や西洋絵画、自らの作品を元に、日本文化の「今ここ」の日常を描く発想が西洋文化に与えた影響など「時間の流れ」というテーマを軸に語られた講演は圧巻。河合俊雄氏による講演録では、ユング派心理療法のこれまでを振り返り、どのような方向性を目指すべきかを追究。これからの心理療法を考える指針を示す。
目次
シンポジウム(基調講演「日本文化におけるイメージの力」;討論―基調講演を受けて)
講演録(ユング派心理療法の新しい可能性)
論文(「針を抜く夢」についての考察―共同体からの離脱と「個」の成立;宮沢賢治三作品の心理学的理解の試み―転回に着目して)
印象記(A Joint Jung/Lacan Conference印象記;第2回The International Society for Psychology as the Discipline of Interiority大会印象記)
文献案内
感想・レビュー
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Gotoran
39
ユング心理学研究第7巻第2号。シンポジウム(基調講演、討論、講演、研究論文、印象記、文献案内を収録。基調講演本書表題では画家の千住博氏が、日本文化と四季、歌川広重の浮世絵に描かれてきたもの、浮世絵の西洋の印象派に与えた影響、自分が描いてきたものを論述、それを受けて川戸氏と角野氏が、ユング心理学の視点から、日本文化が表現してきたもの、芸術家としての意識について討論。そして河合俊雄氏の講演「ユング派心理療法の新しい可能性」へと続く(他は割愛)。 興味深い内容で読み応えがあった。2019/08/25