出版社内容情報
現代人が直面している心理的問題は、「知ること」すなわち「分離し、はっきりさせる」働きを本質とする意識への偏りから来ている。本書は「見る」と「眺める」という枠組みを用いて、意識というものの多様な働きを考察。事例研究を通して「眺める」意識という、従来の意識のパラダイムから見ると未発達で曖昧で力弱いものと考えられてきた意識のもつ心理臨床的意義について明らかにし、新しい意識のあり方の可能性を探る。
目次
序章 はじめに
第1章 「見る」意識と「眺める」意識
第2章 和歌の中の「眺め」
第3章 石と「眺める」意識
第4章 事例1
第5章 事例2
第6章 心理療法という営みと「眺める」意識
終章 結びにかえて
著者等紹介
上田琢哉[ウエダタクヤ]
1972年、山口県生まれ。2000年、学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員(DC1)、文京区教育センター教育相談室、東京都立精神保健福祉センター等勤務を経て、青山学院大学教育人間科学部心理学科准教授。2017年、日本心理臨床学会奨励賞受賞。博士(臨床心理学)。臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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