内容説明
本書では、これまでの研究課題であった“アメリカ経営管理の生成に関する経営史的研究”の延長線上に、リスク・マネジメントを位置づけ、新たな経営職能として独立分化したリスク職能を管理対象とする“マネジメント”としてのリスク・マネジメントの生成とその特徴に接近することに目的を置いている。そして、その接近方法は、従来の保険論をベースにしたものではなく、経営学(経営管理論)と経営史をベースとした視点に焦点を定めている。そこから結果として、現代リスク・マネジメントの本質に少しでも接近することを考えている。
目次
第1章 リスク・マネジメントへの基礎的接近
第2章 リスク・マネジメントの源泉論議―ファヨール管理論をめぐって
第3章 19世紀アメリカ企業の成長過程と企業リスクの認識
第4章 現代アメリカ企業の特徴とリスク・マネジメント
第5章 ベンチャー企業とリスク・マネジメント
第6章 リスク・マネジメントの形態と構造
第7章 リスク・マネジメントと経営政策の相関―ウォルサム時計会社の再組織化過程をめぐって
第8章 経営戦略型リスク・マネジメントの動向―香港企業のケース・スタディ
第9章 中国市場へのリスク・マネジメント的接近
第10章 終章―現代リスク・マネジメントへの接近と課題