内容説明
本書は、著者が最近約8年の間に発表した論考のうち、法人税を含む所得税関連の論文を加筆・修正のうえ、とりまとめたものである。所得税体系のあり方を探るという問題意識のもとに、わが国の所得税政策論の現状を吟味し、さらにそれを理論的に一歩前進させている。
目次
第1部 所得税政策論の現状と問題点(中曽根改革・竹下改革とその理論的背景―所得税政策論の現状;間接消費税依存主義と「課税の普遍性」―学史的検討;所得税と間接消費税の役割分担論―構造と問題点)
第2部 再考―包括的所得税論(サイモンズの包括的所得税論―構造と問題点;現代の包括的所得税論の構造と問題点―グード・ペックマンの所説を中心に)
第3部 所得税制のアキレス腱と改革の方向(再考―法人税制と個人所得税制の統合問題 アメリカ財務省報告の問題提起;法人税制と個人所得税制の統合問題―伝統的方法vs包括的事業所得税法;開放経済での法人税制と個人所得税制の統合問題―資本輸出の中立性を基準にして ほか)