出版社内容情報
2013年3月28日、百歳の誕生日を迎える、世界的芸術家・篠田桃紅さん。日々、創作活動を続ける芸術家の、自伝的随筆集です。
2013年3月28日、百歳の誕生日を迎える、
世界的芸術家・篠田桃紅さん。
日々、創作活動を続ける芸術家の、
自伝的随筆集です。
一編の詩のように美しい日本語で綴られるのは、
懐かしくも愛しい昭和の日々であり、
「ひとり」で立つ精神の清々しさでもあります。
成熟した日本人の、美しい姿がそこにあります。
内容説明
あるがままに生きて100年。世界的芸術家篠田桃紅の珠玉の随筆集。
目次
桃紅80‐89歳/1993‐2002年(私の希求;美とは…;前よりマシ ほか)
桃紅90‐99歳/2003‐2012年(絵そらごと;ひと;水撤き ほか)
桃紅66‐79歳/1979‐1992年(性格;大連生れ;母 ほか)
著者等紹介
篠田桃紅[シノダトウコウ]
抽象画家、水墨作家、美術家、書家、エッセイスト。大連生れの東京育ち。幼少から家庭で書の手ほどき、次いで下野雪堂氏の教えを受け、その後、独自の道を歩む。戦中、戦後の混乱期を経て、水墨による「私のかたち」の表現を希求、1956年、単身ニューヨークに渡り、あふれる自由と世界のアートシーンを席巻した抽象表現主義の活気のただなかで創作に没頭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
59
良いものを読んだ。百歳を超えてなお墨の抽象芸術を追求する篠田桃紅さんの随筆集。様々な年代に書かれたものだがテーマに統一感があり読みやすい。桃紅さん自ら執筆されていることもあり語りおろしとはまた違った雰囲気だ。きものに対する随筆も味わい深かった。渡米して個展を開くまでの展開が何ともスリリング。2年滞在することになるニューヨークを「空しいほどの大らかさ」と評したのが清々しい。ドナルド・キーンさんともかの街で知己になられたのですね。いつかおふたりの対談を読んでみたいです。なるべく早めにその機会が訪れますように。2017/03/06
はちてん
10
書家、画家、エセイストなど豊かな才能とそれを支える基盤に恵まれた人、篠田桃紅。「人という字は支え合う形」に疑問を持つあたり共感する。支え合うなら八の字に近い形じゃないかしら(笑)「人は一人がすっくと立った形」に頷く。答えのない世界を追求し迷う心情、長い人生の思い出の端々が達筆で綴られたエセイ集。2013/10/16
tama
6
図書館本 TVで見て心打たれ借りた。TVの影響か、予約が既に二人いた。この方、常に和服。墨を磨るときもタスキかけないんだなぁ。戦後まもなくアメリカで個展をし「日本での受取り方と違うのが新鮮」。「人」の甲骨文字は「一人で立っている姿」(支え合ってなどいない!)。紛失した、と思われたご自身の旧作は果たして見つかったのかとても気になる。「酔生夢死」の文字がご自分でも納得されるまで生き続けていただきたい。まあまあいい出来かと感じ、ご飯も美味しく、他人に愛想よく出来る気分になるまで、ぜひ。凄くて可愛い女性です!2015/07/06
Toshi
5
以前テレビで篠田桃紅さんを拝見しましたが、「凛とした」とはこういう人のことを言うのだなと感じた記憶があります。本書は桃紅さんによる日々を綴ったエッセイ。なんとも清々しい当年とって107歳の素敵なおばあちゃんです。2020/11/27
みのにゃー
4
百歳を迎えてなお現役。素晴らしい。「『人』という字、二本の線が支えあって成り立っている」に疑問を持ち「古代のひと、という字は、ひとが一人立っているかたち」という文、桃紅さん自身の生き方のよう。2013/09/24