内容説明
柳宗悦がその生涯をかけて蒐集した“美の世界”に親しむ。珠玉の名品を撮りおろした「民藝」決定版。
目次
第1章 器(漆器;陶磁器;沖縄)
第2章 家具・調度(家具;調度;アイヌ)
第3章 衣・裂ほか(衣;裂;編組)
第4章 彫刻・絵画ほか(彫刻;絵画;書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
249
日本民藝館・監修、藤森武・撮影。長く日本の民藝運動を主導した柳宗悦のコレクションを概観するものである。この上巻は、「器」、「家具・調度」、「衣・裂」、「彫刻・絵画」を収録する。ここでは、源流として縄文時代の石偶と土器を揚げている。私にとっては最も馴染み深いのは器、とりわけ陶磁器である。歴史的な瀬戸焼や古九谷、伊万里、唐津、肥前、弓野などの名品が並ぶが、それらは当然、芸術品として製作されたわけではない。あくまでも工芸であった。そうはいっても、庶民の日常使いという風には見えない。元々、名品ではあったのだ。2024/11/23
tulip
23
原田マハ著「リーチ先生」に登場した柳宗悦のコレクション。 「美を意識して作られた物に良い物は少なく、用を主にした物にはるかに美しい物が多い」「見て美しく触れてよく、用いて更に愛が起こる」実用品でありながら職人の技が美しく、力強い品々を堪能。伊万里赤絵角徳利、鉄絵緑差割菊文徳利、工の集結した船箪笥や型染革羽織、おおらかな木喰仏、ユーモラスな大津絵も。2020/02/13
アズル
15
民藝について写真を見ながら美しさにうっとりしました。琉球やアイヌの民藝が素晴らしいです。2019/01/14
tama
10
図書館本 書架で偶然 「用の美」は高校生の頃から聞いてたが一向に興味なかった。でも年のせいかナポリタンよりかけ蕎麦を好むようになり、この本でも陶器(磁器より陶器)、大津絵などに目が行った。モノを掘り起こして再評価することは大事。でも、そのものを作っていた仕事への再評価は?そのものが使われていた作業形態が変わるのは世の宿命。そのものを作りだしてた仕事をどう守るかは?そこがなかったので骨董、愛玩物⇒投機対象、持っていることでの地位格付けにしかならなかったように思える。もののせいではない。2020/11/06
森
5
日本民藝に対する偏見が、自分の中でも少なくなり、その良さを認識しています。高高台の漆器の形が力強くてよい。(柳宗悦の名前はよく目にするのですが、よく知りませんでした。)2014/02/22