出版社内容情報
有名演目の解説を中心に、能楽豆知識、舞台の基礎知識、能楽堂案内、薪能・野外能カレンダーで構成。初心者から楽しめる1冊。
内容説明
石牟礼道子、小田幸子、加賀乙彦、中村富十郎、水原紫苑、森山開次の書き下ろしエッセイ収録。『翁』『道成寺』を、11人の演者自らが語る。能舞台解説、能楽豆知識、能楽堂案内、薪能・野外能カレンダーなど周辺情報も充実。
目次
男(男神を含む)の能(翁;安宅;敦盛 ほか)
女(女神を含む)の能(道成寺;葵上;海人(海士) ほか)
鬼・怨霊・精霊の類の能(善知鳥;通小町;鞍馬天狗 ほか)
著者等紹介
多田富雄[タダトミオ]
免疫学者。1934年、結城市生まれ。東京大学名誉教授。専攻・免疫学。野口英世記念医学賞、エミール・フォン・ベーリング賞、朝日賞などを受賞。84年、文化功労者。能に造詣が深く、『無明の井』『望恨歌』『一石仙人』などの新作能を手がける。著書に『免疫の意味論』(大仏次郎賞、青土社)、『独酌余滴』(日本エッセイストクラブ賞、朝日新聞社)ほか
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感想・レビュー
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かやは
5
能とは、幽霊、神、精霊などの幽玄の存在が主役の演劇。彼らは既に完成された存在であり、舞台に「現れる」ことでこの世とあの世を繋ぐ。本については、写真が多めで見やすかったが、話の概略がちょっと読みにくかった。2013/08/04
Noelle
4
わが町に能楽堂があることに気づいてから数年。年に5回のみの公演ゆえなかなかチャンスがなかったのが、最近運良く観覧できている。で、題名だけは知っていてもあらすじはちょっと、、の予備知識として、本書はとても要領良くまとめられていて読みやすい。「男(神)の能」「女(神)の能」「鬼怨霊精霊の能」のジャンルわけもなるほどと。さくっと50演目をながめて、やはり平家物語からきたものや、やがて歌舞伎に取り入れられた元の形とかを比べ読むのも一興。写真で見る能面能衣装のいろいろも楽しい。さて来週の公演が楽しみです!2016/08/28
お萩
4
有名なもののあらすじを一般常識程度で知れたらいいかなーと借りた本だったが、やっぱりというかなんと言うか、本物が見たくなる。この機微に富んだ物語がどんな舞になるのか。合間のエッセイも良かった。能の入り口というのは案外いろいろなところにあるのだな。臆さず飛び込んでみるというのも大事なのかも。2015/12/10
Akihiro Nishio
4
良書だった。まとめて50本ものあらすじを読むことで、平家物語を原作に持つものが多いなとか、女性が主人公のものは恋に破れて怨念になり祈祷で成仏させられるパターンが定番なのか、などと基礎的な見方を持つことができる。実際、こういう基礎がなければ能を見るのはきつい。あとは実践である。まずは地元の薪能から見に行ってみよう。2013/08/16
野添真由美
2
『花よりも花の如く』の影響で借りた本。日本文化も捨てたもんじゃない。能部隊見たいな~。2012/12/09