出版社内容情報
豊洲への市場移転を前に築地へ帰ってきたヤッさん。夫婦で蕎麦屋を開店したはずのタカオとミサキの間には溝が生じ、跡継ぎになるため苦労している卵焼き屋の香津子のもとには海外放浪帰りの青年がやってきた。ヤッさんと深い縁のオモニが営む韓国食堂にも忍び寄る影が。みんなのトラブルを解決できるのは、この男しかいない!
内容説明
築地から豊洲への市場移転騒ぎでみんなの頼み事を引き受けた末に寝込んでしまったヤッさん。ところが、ダイニング割烹の料理長・里菜がテレビ取材のトラブルを抱えてやってきた。八丈島ロケに同行しようとするヤッさんを、深い縁のオモニは心配するものの、自ら営む韓国食堂にも忍び寄る影が―。表題作ほか二編を収録。
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年長野県生まれ。茨城県育ち。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て、97年『かつどん協議会』でデビュー。書店員の熱心な応援により、2001年に文庫化された『床下仙人』が、07年にベストセラーに。同書は啓文堂書店おすすめ文庫大賞にも選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみねこ
91
ヤッさんシリーズ第5弾。中編3つ、ミサキとタカオの蕎麦店の危機・玉子焼きの老舗玉勝屋三代目香津子・ダイニング割烹の女性料理長里菜、併せてオモニの店のピンチと盛り沢山なお話。ヤッさん、大活躍。面白かったです♪2020/03/21
紫綺
80
ヤッさんシリーズ第5弾。苦境からの脱出を描く、連作中編3編。相変わらず、前向きに生きることの大切さを教え諭してくれるビタミン本。2020/03/06
雅
74
苦悩する女性料理人が3人。以前に比べ出番が減っている気もしたけど、ココぞという場面で決めてくれるヤッさん。気持ちが良いです。2020/02/03
ぶんこ
69
ヤッさん久しぶりです。ヤッさんもですがオモニも懐かしい。ヤッさんの一番弟子だったミサキとタカオのお蕎麦屋さんが危機に。原料の蕎麦粉の自然災害、タカオが蕎麦懐石のお店へと手を伸ばして夫婦仲が危うくなる。老舗玉子焼き屋跡取りの香津子の、元カレと新しい彼?が現れる。ともにヤッさんの尽力で2人の女性が幸せになっていくのを読むのが楽しい。最後の若手女性料理人の、オーナーからのパワハラにオモニが立ち向かうのがカッコいい。オモニに改めて興味が湧きました。オモニあってのヤッさんという側面が際立ちました。2021/05/24
ジュール リブレ
53
シリーズ5作目。ヤツさんが寅さんみたいに見えてくる。中編3作それぞれに味わい深い円熟味。前作から続くミサキの蕎麦。築地の老舗の卵焼き、ポルトガル風天ぷらテンペイロ、そして、八丈島のトビウオの鮨。いずれも違わず美味しそう。ヤッさんも歳をとったのか、主役というより脇役になってたり、風邪ひいてたりしたけれど。 次作が楽しみですね。2020/01/09